タイのアヌティン首相が、罪を犯した外国人の強制送還を速める方針を打ち出した。6月17日の閣議で、入国管理法と関連規則の改正を関係機関に指示したもので、有罪となった外国人が国内にとどまり、再び罪を犯す「抜け穴」をふさぐ狙いがある。詐欺グループや国際犯罪に関わる外国人への対応を強める動きの一つだ。
なぜ送還に時間がかかるのか
これまでタイでは、外国人が罪を犯しても、強制送還までに時間がかかることが課題とされてきた。逮捕・起訴されて有罪になっても、タイ国内での裁判手続きがすべて終わるまでは送還できないためだ。その間に身柄が国内に残り、再犯につながる恐れも指摘されていた。
アヌティン首相は閣議で、外国人の摘発と訴追は進んでいるものの、送還の手続きに時間がかかりすぎていると述べたという。
副首相・入管・内務省に改正を指示
首相は、パコーン副首相と入国管理局、内務省に対し、入管法と関連規則の改正案をまとめるよう指示した。国家の安全、公共の利益、そしてタイが負う国際的な義務に沿った形で、速やかに準備するよう求めている。
この方針は、6月17日の閣議のあとに政府側が明らかにした。具体的な改正の中身や時期は、今後詰められる見通しだ。
強まる外国人犯罪への対応
タイ政府はここ最近、国境を越えた犯罪や、コールセンター型の詐欺、名義貸し(ノミニー)によるビジネス、違法な事業に関わる外国人の取り締まりに力を入れてきた。今回の法改正の方針も、その流れの延長線上にある。
もっとも、対象は罪を犯した外国人であり、まじめに暮らす在住者や旅行者が直接の標的になるわけではない。ただ、入管法そのものの改正は、ビザや在留の手続き全体に関わる可能性もあり、タイで暮らす人にとっては今後の中身を見ておきたい動きといえる。
