タイのタクシン・チナワット元首相が装着していた電子監視(EM)の足輪が、6月9日に取り外された。6月3日に国王から完全な恩赦を受けたことを受けた措置で、残っていた刑の執行と渡航制限がすべて解かれた。報道によると、タクシン氏は6月末までにアラブ首長国連邦のドバイへ渡航する予定だという(関連記事:恩赦令でタクシン元首相が保護観察を即時終了、9月の満了を待たず自由の身に)。
6月9日に足輪を取り外し
足輪の取り外しは、バンコク保護観察事務所第1の担当者が、タクシン氏の自宅であるチャンソンラー邸で行った。トンブリ刑事裁判所が恩赦の対象者リストを精査し、タクシン氏が正式に対象者の一人として確認されたことを受けた手続きである。
恩赦は6月3日、スティダ王妃の誕生日に合わせた一連の恩赦の一環として、ワチラロンコン国王が認めたもので、法相が確認した。これによってタクシン氏に残っていた刑期は消滅し、2023年の帰国以来続いていた渡航制限も解除された。EM足輪は、その制限を象徴する存在だった。
17年を過ごしたドバイへ
報道では、タクシン氏は6月末までにドバイへ向かい、しばらく滞在して個人的な用事を済ませた後、タイに戻るとされる。その後もタイとドバイを何度か往復する見込みだという。
ドバイは、タクシン氏が2023年に帰国するまで、およそ17年にわたって亡命生活を送った場所である。事実上の生活拠点だった都市に、今度は制限のない自由な身で渡航することになる。タイ政界に強い影響力を持ち続ける人物だけに、海外での動向にも関心が集まりそうだ。
帰国から自由の身まで
タクシン氏は2006年のクーデターで失脚した後、汚職事件で有罪となることを前に国外へ出て、長く亡命生活を送ってきた。その主要な拠点がドバイだった。2023年8月、長い国外滞在を経てタイに帰国し、汚職などの罪で実刑判決を受けた。その後、刑期は恩赦で大幅に短縮され、収監の多くを病院で過ごしたうえで仮釈放となっていた。今回の完全な恩赦で、帰国後に課せられていた法的な制約からも解放された形だ。娘のペートンタン氏が首相を務めた時期があるなど、チナワット家は近年もタイ政治の中心にあり、元首相の一挙手一投足が引き続き注視される。