タイの石油大手OR(旧PTT)とバンチャークが、ガソリンとディーゼルの小売価格を引き上げる。ガソリンとガソホール各種が1リットルあたり0.40バーツ、ディーゼル各種が0.80バーツの値上げで、6月4日午前5時から適用される。プレミアムディーゼルは据え置かれる。車を使う人や物流に、再び負担がのしかかる。
ガソリン0.40バーツ、ディーゼル0.80バーツの値上げ
値上げを発表したのは、OR(オーアール)とバンチャーク(BCP)の2社である。対象は、ガソリンとガソホールのすべての種類が1リットルあたり0.40バーツ、ディーゼルのすべての種類が0.80バーツ。ただし、プレミアムディーゼルは価格を据え置く。実施は6月4日の午前5時からだ。
タイのガソリンスタンドでは、各社がほぼ足並みをそろえて価格を改定するのが通例で、今回もOR・バンチャークに続いて他社も追随するとみられる。給油を考えている人は、値上げ前に早めに済ませておくのがよさそうだ。
ディーゼル高が物流と物価を押し上げる
とりわけ負担が大きいのが、0.80バーツ上がるディーゼルである。ディーゼルは、トラックやバス、農業機械などの燃料であり、その値上がりは輸送費や物流コストにはね返る。最終的には、食料品や日用品の価格にも転嫁されうるため、ドライバーだけの問題ではない。
ディーゼルの値上がりは、トラック輸送だけでなく、地方を走るソンテウや乗り合いバスの運賃にもいずれ波及しうる。配車アプリやフードデリバリーのコストにも関わってくるため、車を持たない人にとっても無縁ではない。
タイでは物価高が続いており、政府は消費を下支えする刺激策を打ち出すなど、家計の負担軽減に取り組んでいる。そうしたなかでの燃料の値上げは、生活実感としては逆風となる。小幅とはいえ、こうした改定が積み重なれば、負担はじわじわと増していく。
タイの燃料価格の決まり方
タイの小売燃料価格は、世界的な原油価格の動きや為替、それに国の石油基金による調整を反映して、こまめに見直される。原油が上がれば小売価格も上がりやすく、政府は石油基金を使って急激な変動をならすこともある。ここ最近のタイの燃料価格は、世界情勢の不透明さを背景に、上下を繰り返してきた。
燃料価格は、在タイ日本人を含め、車を使うすべての人の生活費に直結する。次の改定がどちらに動くかは、世界の原油市場やタイ政府の対応次第である。給油のたびに価格表を確かめる習慣が、家計を守る小さな一歩になる。