タイ政府は2026年5月26日の閣議で、公務員が私用の電気自動車(EV)を官庁・国営企業・国家機関の施設で無断充電する行為を規制する方針を承認した。違反した場合は所定の法律に基づいて処罰を検討する。NACC(国家汚職防止取締委員会、ป.ป.ช.)の調査報告書とPM事務局(สำนักงาน ก.พ.)の提案を受けたもので、財務省財務局(กรมธนารักษ์)が定めたEV充電器の設置・利用ガイドラインを全官庁が厳格に運用するよう指示した。閣議副報道官のプローイタレー・ラックシーセーンチャン氏が記者会見で説明した。
「電気代は税金」という線引き
問題視されたのは、公務員が私有のEVを職場の充電設備で無断充電するケースが目立ってきたことだ。官庁施設の電気代は税金で賄われているため、私的な便益と公務の利益がぶつかる利益相反にあたるとNACCは指摘した。国家所有地(ที่ราชพัสดุ)の公務外利用や、公務員倫理に反する行為としても整理されている。閣議は全官庁に対し、財務省財務局がすでに定めたEV充電器の設置・利用ガイドラインを厳格に運用するよう求めた。あわせて各機関の長に所属職員の遵守を監督する義務を課し、国民への広報も並行して進めるとしている。
罰則の具体額はこれから
違反が確認された場合の処罰は所定の法律に基づいて検討されるが、具体的な罰金額や処分の基準は現時点で公表されていない。運用の細部は今後詰められるとみられる。
EV普及を進める一方での倫理規制
タイは2030年までに自動車生産の3割をEVにする「30@30」政策を掲げ、補助金や関税の優遇、充電インフラの整備でEVを後押ししてきた。その普及を急ぐ裏側で、税金の適正な使い方と公務員倫理という観点からの規制が同時に打ち出された格好だ。汚職防止機関であるNACCが主導した点に、汚職問題へ長く取り組んできたタイらしさがにじむ。


