タイ法務省の仮釈放委員会が2026年4月29日、タクシン・チナワット元首相の仮釈放を承認した。5月11日に収監先の中央刑務所クロンプレムから出所し、残りの刑期4ヶ月間は保護観察期間として過ごすことになる。70歳を超える高齢囚で持病もあるため、電子足輪(EM)装着義務は免除される異例の対応となった。
タクシン氏は2024年9月9日から収監されており、4月29日時点で7ヶ月20日が経過。1年の刑期のうち3分の2(約8ヶ月)を服役するという仮釈放の閾値が、5月11日に満たされる計算となる。委員会はこの条件と高齢・健康状態を踏まえて仮釈放を最終承認した。
EM(電子モニタリング装置の足輪)は通常、保護観察対象者の所在管理のために装着義務が課される。タイの仮釈放制度では、対象者の年齢が70歳を超え、医師の診断により装着が困難または健康に影響する場合、装着義務を免除する規定がある。今回はその規定が適用されたかたちだ。
タクシン氏は2008年に汚職罪で有罪判決を受け、長らくタイを離れていた。2023年に帰国した際は警察病院で長期療養生活となり、その後の刑期短縮や恩赦を含むさまざまな手続きを経て、現在の仮釈放決定に至っている。今回の仮釈放後の活動内容、政治的影響については、タイ国内外で注目が集まる局面となる。
仮釈放後は保護観察期間中、タイ国内に滞在し、定期的な保護観察官への報告義務が課される。出国は基本的に制限されるが、特別な許可があれば例外的に認められる。タクシン氏自身が政治の表舞台に戻るのか、政治顧問的な立場に留まるのかは、プアタイ党の動きと併せて引き続き焦点となる。