ナコンナーヨック県バンナー郡で4月27日、ジンタナー氏(44)が市場で買った豚骨(クラドゥーク・ムーケーオ)3キロ・450バーツが、駐輪したバイクの籠から盗まれる事件があった。料理を作って客に販売するための仕入れ品で、女性露天商の窃盗被害として警察に届出が出された。タイの物価高が「骨」まで盗難対象に押し上げる象徴的な一件として、ローカルメディアでも取り上げられている。
ジンタナー氏はサモブンコーン寺の市場で豚骨3キロ(450バーツ)を購入し、ホンダ・ウェーブ(赤色)の籠に入れた。バイクをサモ寺の本堂裏の駐車場に止めて、別の買い物のために店内へ。戻ってみると、籠の中の豚骨袋が消えていた。
警察(バンナー署のワラパン・プラセートサック女性少佐)が監視カメラを確認したところ、30歳代の女性(オレンジ色Tシャツ・黒ショーツ・肩までの髪)がジンタナー氏のバイクから豚骨袋を取って逃げる様子が映っていた。警察は犯人特定と逮捕に向けて捜査を進めている。
タイでは2026年に入って食料品価格の上昇が続いており、特に肉類は中東紛争由来のエネルギーコストや飼料コスト高を受けて値上がり傾向にある。3キロ450バーツの仕入れは地方の露天商にとって決して軽くない金額で、盗難に遭えば1日の利益分が消える計算となる。
タイの市場では、ジンタナー氏のような小規模露天商が客の注文を見越して食材を仕入れ、料理を作って販売するビジネスが多い。仕入れの一部が盗まれれば、そのまま赤字になる。在タイ日本人にとっては「タイの物価高」が日常生活に与える圧力を象徴する事案として読めるニュースで、地方の市場の籠への警戒も再認識させる。
警察は監視カメラの解析と地元の聞き込みで犯人特定を急ぐ。物価高の中で食材を盗む行為は他にも報告されており、市場・寺・駐車場での貴重品管理が改めて問われる場面が増えている。タイ社会全体で見ると450バーツの被害は小さいが、ニュースとして拡散する意味は決して小さくない。