タイの代表的な国立公園であるカオヤイ国立公園(ナコンラチャシマ県パクチョン郡)で4月27日、展望台駐車場(km30地点)に停車中の乗用車が突然炎上し全焼した。運転していた26歳のカムペンペッ県在住女性エー氏(仮名)はボンネットから煙が出た瞬間に車外に脱出、その直後に車全体が炎に包まれた。負傷者はなし。
チャイヤー・フアイホンソン公園長によると、出火は午後の駐車場で起きた。エンジンルームから始まった炎は短時間で車両全体に広がり、近隣の森林への延焼も懸念された。公園の散水車とムシ地区消防車の連携で消火活動を実施、ラチニー・チョークチャロエン副公園長が現場指揮を取った。鎮火まで30分以上を要し、車は黒色乗用車(バンコクナンバー)が全焼した。
エー氏は観光目的でカオヤイを訪れ、展望台で駐車・写真撮影をしようとした。「ボンネットから煙がモクモクと立ち上り、おかしいと思った数秒後に炎がブワッと立ち上がった。瞬時に車外へ走り出した」と振り返る。一歩遅れていれば爆発音とともに巻き込まれた可能性が高い。
当局は「エンジン高熱と猛暑が重なって温度が急上昇したことが起因」とみている。タイは4月から5月にかけて気温が40度近くまで上がる時期で、高地の山道を走った直後の駐車では特にエンジン温度が下がりにくい。今年はスーパーエルニーニョの影響で気温が高めに推移しており、車両故障のリスクが平年より上がっている可能性もある。
カオヤイは在タイ日本人の家族旅行・週末ドライブで定番の観光地だ。バンコクから北東150-200km、標高800m前後の高地にあり、急勾配の山道もある。展望台までのドライブは気持ちよさとエンジン負荷が同居するルートで、エンジンチェック・冷却水量・ガソリン残量に加え、休憩中のボンネットからの放熱にも気を配る必要がある。
当局は今後、車両の整備履歴・炎上経過の精査を通じて再発防止策を検討する。乗用車の自然発火は世界的にも珍しくないが、観光地・国立公園での発生は付近への延焼リスクが伴うため、駐車場管理・消火設備の見直しが進む可能性もある。