タイ・パタヤで4月26日、ソンクラン期間中にウォーキングストリートで非番の警察捜査官に射殺されたとされる大麻店主Kings Phattharanさんの火葬式が執り行われた。家族・親族・親友が集まり最後の別れを告げる中、パタヤ市警察署の署長が直接出席して哀悼の意を伝え、容疑者に対する「タイ法の最大限の処罰」を改めて約束した。先に書いたソンクラン期発砲事件、警察官ジーの新罪状、葬儀での署長跪き謝罪に続く一連の続報の最終章となる。
火葬式は地元のパタヤで執り行われ、家族・親族・親友のほかパタヤ市警察署長が出席した。Pattaya News紙は雰囲気を「悲しみが空気を重く包み込み、愛と深い哀悼と心からの別れに満ちた一日だった」と表現している。
事件は4月18日のソンクラン最終日、パタヤのウォーキングストリートで起きた。終日ソンクランを祝って完全に酔った状態だった上級警察捜査官(ニックネーム「ジー」)が銃を抜き、地元で人気のあった大麻店主のKings Phattharanさんを射殺したとされる事件だ。被害者は店の前で別の客とのトラブルを止めようとしていたところ、容疑者から発砲を受けた。
捜査は4月19日の事件発覚以降、断続的に進展してきた。4月20日には容疑者がチャット履歴で被害者に銃の販売を持ちかけていた事実が判明し、新たな罪状が追加された。4月22日の通夜・水かけ葬儀には被害者の母が失神し、その場でパタヤ市警察署長が跪いて謝罪する場面も報じられた。容疑者は現在も拘束されており、殺人を含む複数の刑事罪状で起訴を待っている。
パタヤ市警察署長は今回の火葬式でも「容疑者をタイ法の最大限の範囲で処罰する」と改めて誓った。タイの警察組織にとって、現役警察官が酔って民間人を射殺した今回の事件は組織の信頼を揺るがす最悪のケースで、署長クラスが葬儀・火葬式に直接出席して謝罪する異例の対応が取られている。
被害者Kings Phattharanさんはウォーキングストリート界隈で知られた大麻店オーナーで、2022年にタイで大麻が一部合法化されて以降、観光客向け店舗として地元で愛されてきた。容疑者の「ジー」警官は大麻店周辺に出入りしていたとされ、被害者と何らかの接点があった可能性が捜査されている。
タイの大麻政策は2025年6月に医療目的への限定が再強化される方向で改正が進んでおり、ウォーキングストリート周辺の大麻店は経営難に直面している。今回の事件はその規制議論にも影を落とし、警察と大麻業界の関係性、外国人観光客が多い同地区での治安管理のあり方が改めて問われている。
在パタヤの日本人駐在員にとっても、ソンクラン期間中のウォーキングストリート周辺は近寄り難い空気が続いている。今回の火葬式で一連の儀礼は一区切りとなるが、容疑者「ジー」の起訴と裁判は今後本格化する。家族側はタイ司法に「最大限の処罰」を求めており、判決を巡る続報は今後数か月にわたって続く見込みだ。