タイの格安航空会社タイエアアジア(FD)およびタイエアアジアX(XJ)が、4月24日から機内販売メニューに地元農家から直送される「ラムヤイ(龍眼)」を使った新ラインナップを導入した。鶏料理・お茶・デザートの3品で、タイ経済作物の支援と旅客への新たな味覚提案を組み合わせた取り組みだ。
発表したのはタイエアアジアの機内商品・サービス部門長オンアノン・メタピパッタナクン氏。同社は以前からタイ国内商業局および商務省と連携して、タイ農家の経済作物を支援する取り組みを継続しており、今シーズンは旬を迎えるラムヤイを機内ブランド「Santan」の新メニューとして取り入れる形となった。
新登場するメニューは3品。まず看板となるのが「ナムトックガイヤーン・ソース・ラムヤイ」で、タイ風の焼き鶏「ナムトックガイヤーン」の辛味とラムヤイソースのほのかな甘みを合わせた食事メニュー。ラムヤイの果肉から作る特製ソースで、ピリッと辛い正統派の鶏にフルーティーな風味をプラスしている。
2品目は「チャー・ラムヤイソット(生ラムヤイのお茶)」。ラムヤイの果肉をたっぷり使ったドリンクで、自然な甘みと香りを楽しめる。機内で提供される高度3万5000フィートでも爽やかな後味が残るタイプで、夏場のフライトに向けた季節の看板ドリンクとなる。
3品目はタイの定番デザート「カオニャオピアック・ラムヤイ(ラムヤイのおこわデザート)」。もち米とココナッツミルクにラムヤイを合わせた甘味で、タイの伝統スイーツの一つとして知られる。機内食として提供される点が新しい。
タイエアアジアによれば、ラムヤイの使用は農村地域の小規模農家の所得向上に直接つながる施策で、機内メニュー1食分の売上が農家への継続的な支援になるとしている。近年はドリアン・マンゴスチンなど他のタイ果物でも同様の取り組みを実施してきたが、ラムヤイへのフォーカスは久しぶりとのこと。
タイでは季節ごとの経済作物の出荷安定が課題となっており、過剰生産時には産地価格が急落する事例が相次いでいる。実際に同時期、カラシン県ではマンゴーの産地価格が60バーツから3バーツへ暴落するなど、農家側の苦境が目立つ。航空会社が固定需要として果実を買い上げる仕組みは、こうした市況変動への緩衝材として注目されている。
タイエアアジアのフライトを利用する日本人旅行者・在タイ日本人にとっても、機内でラムヤイを楽しめる季節限定メニューは旅の楽しみの一つとなる。乗り継ぎ便・国際便でもタイらしい果実の味を手軽に体験できるため、タイ出国便を選ぶ際の小さなトピックにもなりそうだ。