ナコンラーチャシーマー県シーキウ郡のガソリンスタンドで7日朝、記者が現地を歩いた。かつては朝から給油客で賑わっていたスタンドは閑散とし、停まっているのは仮眠中のトラックだけだった。
ディーゼル価格は1リットル50.81バーツを示していた。50バーツの大台を突破してからもじわじわ上がり続けている。ガソリンも軒並み高値で、住民の足は確実に遠のいている。
近くの畑で野菜を育てる55歳の農家に話を聞いた。「55年生きてきて、こんなに燃料が高いのは初めてだ」。畑の耕運機も出荷のトラックもディーゼルで動く。燃料代が上がれば利益は消え、それでも作物の値段は簡単に上げられない。「政府はどうやって国を治めているんだ。もう貧しくて限界だ」と声を落とした。
ウドンターニーではいかだ下りの客が7割減り、ラヨーンでは漁船500隻が港で動けない。コラートの農家も同じ燃料危機の波に飲み込まれている。地域は違えど、「今の暮らしが立ち行かない」という声は全国で共通している。
新政権は給油所の夜間営業停止や精製マージンの引き下げに動いているが、スタンドの前に立つ農家の顔を見ると、効果が届くまでの時間が惜しい。