ウドンターニー県ノンワウサオ郡ホーイタートカー地区にある「ホーイタートカー川下りビジネス」(グループ観光イカダ)が、2026年4月のソンクラーン休暇中に観光客が例年比70%超減少し、事実上の休業状態に追い込まれた。現地を訪れたメディアの映像では、静まり返った渓谷に草葺きのイカダが浮かぶだけで、スタッフが暇を持て余す姿が記録された。
業者の一人は「今年は本当に閑散としている。原因はガソリンが高いから来られないんだろう。例年は週末になると10艇以上のイカダが次々出るのに、今日は1艇しか出ていない」と語った。炭焼きチキンや焼き魚の屋台も準備はできているが、客が来なければ廃棄するだけだとも述べた。さらに「昔の政権のほうが国民を先に考えてくれていた。今は何もしてくれない」と政府への不満も漏らした。
ホーイタートカー川下りは農村地帯の体験型観光で、ウドンターニー市内から車で約40〜60分かかる。燃料高騰でピックアップトラック族(農村部の主要移動手段)が外出を自粛する状況では、近距離でも「行く気にならない」空気が広がる。
タイ政府観光局(TAT)は地方観光振興のためのキャンペーンを実施しているが、実際には移動コストが高ければキャンペーンの効果は限定的だ。ウドンターニーはバンコクから北東に約560キロに位置し、バス・電車・飛行機でのアクセスは可能だが、地元での移動には車が必須の地域だ。
燃料危機が地方の小規模観光業者に与えたダメージは深刻で、休業・廃業を迫られた事業者も少なくない。タイ観光業界全体では2026年の地方観光の落ち込みが5〜10%と試算されており、ウドンターニー周辺は特に深刻な地域の一つだった。