タイ観光・スポーツ相スラサック・パーンチャルーンウォラクン氏が5月21日、外国人観光客から徴収する「上陸料(Landing Fee)」について、現行案の300バーツを超える水準に引き上げる検討を進めていると発表した。引き上げ分の財源を活用してプレミアム保険補償(医療・事故・遺体送還)を導入する設計。タイ国内の外国人医療未払い問題が年間1億バーツ規模に達しており、観光客自身と医療機関の双方を守る仕組みとして位置付けられる。観光相は「観光客の渡航決定に悪影響を与えないバランスを取りつつ、徴収方法と価格水準を最終調整中」と述べた。タイ政府は2026年中の導入を目指し、新ビザ制度(60日廃止)・観光戦略との連動を進める。
上陸料引き上げの内容
新案の主な内容は次の通り。
- 現行提案料金:
- 空路: 1人300バーツ
- 陸路・海路: 1人150バーツ
- 引き上げ後: 300バーツ超(具体的水準調整中)
- 引き上げ理由: プレミアム保険補償の付加
- プレミアム保険の補償内容:
- 医療費補償(数百万バーツ規模)
- 事故補償
- 遺体送還費用
- 法律支援
- 徴収方法: 航空券購入時組込みまたは入国時電子支払い
- 対象: 全外国人観光客(短期滞在者中心)
引き上げ後の合計水準は推測で500-1,000バーツ程度と見られるが、観光相は「観光客への負担増を最小限に抑えつつ、保険補償の質を確保する」と慎重姿勢を示している。
医療未払い問題の規模
タイの外国人観光客による医療未払いは深刻な問題となっている。
- プーケットの公立病院: 年間約1,000万バーツの未払い
- 全国の公立病院: 年間1億バーツ以上の未払い
- 民間病院: 個別契約で対応するが、長期化する事例も
- 主な未払い理由:
- 旅行保険未加入
- 保険補償額不足
- 帰国後の支払い拒否
- 観光客の急病・事故での意識不明
プーケットでは年間2-3百万人の外国人観光客が訪れる中で、毎年数百件の医療未払い事案が発生。医療機関の経営を圧迫し、地域住民の医療サービスにも影響が及んでいる。
観光業界の反応
観光業界の反応は複雑。
- 賛成派:
- 慎重派:
スラサック観光相は「業界の意見を踏まえつつ、6月までに具体案を確定する」と説明している。
導入時期と施行スケジュール
タイの上陸料導入は、2022年から繰り返し議論されてきた政策。今回の引き上げを踏まえた施行スケジュールは次の通り。





