タイ南部プーケット国際空港で6月11日、スーツケースに詰めたペットフードの中にヘロイン約16キロを隠していたとして、南アフリカ国籍の女(32)が逮捕された。税関職員と麻薬取締警察などが、国際線ターミナルの特大手荷物カウンターで身柄を押さえた。タイでは第1類麻薬の密輸は最も重い犯罪のひとつで、量によっては死刑も科され得る。
ペットフード7袋に隠された16キロ
当局によると、容疑者はブーレという名の32歳の女。白い粉末状のヘロインは透明なビニール袋に小分けされ、黒いテープで厳重に巻かれたうえで、複数ブランドの犬・猫用フード7袋の中に紛れ込ませてあった。ペットフードのにおいで麻薬探知犬や検査をかわす狙いだったとみられる。
ヘロイン16キロは個人で使う量をはるかに超える、明らかに営利目的の密輸規模だ。末端では膨大な数の使用分に相当し、押収を免れていれば各地に出回っていた可能性が高い。まとまった量を堂々と機内に持ち込もうとした手口は、それだけ需要と利幅が大きいことの裏返しでもある。
税関と麻薬取締部隊が空港で摘発
逮捕は6月11日午後6時ごろ、プーケット国際空港の3階にある超過手荷物の預け入れカウンターでのことだった。税関と地元警察、麻薬取締部隊が合同で取り押さえた。女はヘロイン密輸未遂と第1類麻薬の所持、さらに2017年関税法違反の疑いで調べを受けている。出発しようとした便や渡航の目的、背後に組織があるかどうかは明らかになっていない。
麻薬の経由地タイと外国人「運び屋」
タイは麻薬の一大経由地として知られ、ミャンマーやラオスと接するゴールデントライアングルを抱える地理から、空港や国境では密輸の摘発が絶えない。運び屋は荷物を運ぶだけで高額の報酬を約束される一方、捕まれば現地で長期の収監に直面する。タイではこれまでも、アフリカや欧米、アジア各国の旅行者が空港で麻薬を持ち込もう、あるいは持ち出そうとして逮捕され、各国の領事当局が対応に追われる事例が繰り返されてきた。
タイの麻薬法は世界でも厳しい部類に入り、第1類に分類されるヘロインの密輸や大量所持には、長期の実刑から、量によっては死刑までが規定されている。観光やトランジットで多くの外国人が行き交うプーケットの空港は、そうした摘発の最前線にもなっている。