タイ中部ウタイタニ県で登校中の17歳の女子高生が刺殺された事件で、警察は逃走していた容疑者の男を逮捕し、わずか30時間で事件を解決した。容疑者は犯行を認めて現場検証に臨んだが、被害者の父親は土下座しての謝罪を受け入れず、激しい怒りをあらわにした。
物陰から待ち伏せ、スマホを奪って逃走
容疑者は取り調べに対し、犯行のいきさつを語った。道路脇の茂みに身を潜め、通りかかった被害者のバイクの前に飛び出して刃物で脅し、刺したという。その後、駆けつける父親のピックアップトラックの音を聞くと、被害者のスマートフォンを奪ってその場から逃げ去った。
事件が起きたのは6月12日の朝6時半ごろ、ボーヤン・ノンタキアン通り。深く切りつけられた女子高生は、サワンアロム病院へ搬送される途中で容体が悪化し、命を落とした。容疑者は動機についてストレスや精神的な不調を口にする一方、計画性については答えを避けたとされる。
「ボーイスカウト風」の正体
第一報で目撃証言にあった「ボーイスカウトのような服装」の正体も明らかになった。容疑者は事件当時、カーキ色の半ズボンに半袖シャツ、赤いベレー帽といういでたちで、それが少年団の制服のように見えていたのだという。なぜそうした格好をしていたのかは、依然として不可解なままだ。
100人が見守った現場検証と父親の怒り
逮捕翌日の6月13日昼12時40分、容疑者を立ち会わせた現場検証が行われた。現場にはこの事件に憤る100人を超える住民が詰めかけ、複数の警察署と自警団が警備にあたるなか、女性ボランティアが制服姿で被害者役を演じて犯行の手順が再現された。
被害者の父親は、ひざまずいて許しを請う容疑者を前に、謝罪をきっぱりと拒んだ。「娘の代わりにお前が死ねばいい」。やり場のない怒りと悲しみをぶつける父親の姿に、集まった住民からも同情の声が上がった。容疑者は殺人の罪に問われることになる。