タイのリゾート地プーケットで、外国人観光客が紛失したスマートフォンを拾ったバイクのライダーが、返還の見返りに5,000バーツ(約2万4千円)を求めたとして、ネット上で批判を浴びている。やり取りを録音した音声がSNSで広まり、落とし物を返すのにお金を要求するのはおかしいという声が相次いだ。ライダー側は燃料代や謝礼のつもりだったと釈明している。
5,000バーツが交渉で1,500バーツに
地元メディアによると、観光客は6月13日ごろにプーケットでスマートフォンを紛失し、それを別のライダーが見つけた。観光客側の代理人とライダーがやり取りする中で、ライダーは当初5,000バーツを要求。その後、交渉によって2,000バーツ、さらに1,500バーツへと金額を下げていったという。
ライダーは、タラン地区からわざわざ来たので、ガソリン代か謝礼がほしかったと説明している。スマホが最終的に返ってきたのか、金が支払われたのかは明らかになっていない。
「謝礼」か「人質」か、分かれる線引き
この音声がオンラインで拡散すると、落とし物の返却を金銭の支払い条件にする行為への批判が広がった。多くのコメントは、移動にかかった実費や心づけを受け取るのは構わないが、返す条件として金額を要求するのは行き過ぎだと指摘している。
タイでは、落とし物を届けたり拾ったりした人に、感謝の気持ちとしていくらか包む習慣自体は珍しくない。ただ、相手が断れない状況で具体的な金額を突きつければ、それは謝礼ではなく事実上の「人質」のように映る。今回の一件は、その微妙な線引きを浮かび上がらせた。
旅行中に物をなくしたら
旅行先で財布やスマホをなくすと、土地勘も言葉も十分でないなかで足元を見られやすい。もし見知らぬ相手から、返すならいくら、と持ちかけられたら、いったん冷静になり、警察や宿泊先、観光警察に相談するのも一つの手だ。
タイには外国人観光客向けの「ツーリストポリス」(電話1155)があり、トラブルの相談に対応している。スマホには画面ロックや遠隔ロック、位置情報の機能を設定しておくと、紛失時の備えになる。大切なのは、相手のペースに巻き込まれないことだ。