タイ南部パンガー県のビーチに、刺されると強い毒を持つクラゲ「ブルーボトル」が大量に打ち上げられた。海岸資源保全当局は6月4日、住民や観光客に対し、青や紫色をしたゼリー状の生き物には絶対に触れないよう注意を呼びかけた。雨季のアンダマン海の高波が、クラゲを浜辺へと運んできたとみられている。
どこに、なぜ漂着したのか
クラゲが打ち上げられたのは、タクアパ郡バンムアン区にあるバンサック・ビーチとバンナムケム・ビーチの2か所。アンダマン海では雨季に入って波が高くなっており、その荒れた海が、沖にいたブルーボトルを岸近くや浜辺へと押し寄せたとみられている。
海岸資源保全部門の責任者スリヤ氏は、住民や観光客、とくに子ども連れの保護者に対し、これらの生き物に近づかないよう求めた。青や紫色のゼリー状のものを見かけても、触ったり踏んだりせず、ビーチの係員に知らせてほしいとしている。ブルーボトルは、青い浮き袋を海面に出して風や潮に乗って移動し、その下に毒を持つ長い触手を伸ばす。風向きや波の条件が重なると、こうして一度に大量に岸へ吹き寄せられることがある。
刺されるとどうなるのか
ブルーボトルの毒は強く、触れると即座に激しい痛みが走り、皮膚がかぶれたり、やけどのような跡が残ったりする。さらに、体質によっては重いアレルギー反応が出ることもある。胸の苦しさや呼吸困難、ショック状態、意識を失うといった症状が現れ、最悪の場合は命にかかわるとされる。
浜に打ち上げられたクラゲは、死んでいるように見えても、毒を持つ触手が残っていることがある。砂浜で見つけても、興味本位で触れたり、棒でつついたりするのは禁物だ。
刺されたときの応急処置
もし刺されてしまった場合、当局は患部を酢で30秒以上洗い流すよう勧めている。ここで注意したいのは、真水で洗ってはいけないという点だ。真水をかけると、かえって毒の放出を促してしまうおそれがある。また、患部をこすったり、かいたり、砂をかけたりするのも避けるべきだとされる。
痛みが強い場合や、息苦しさなどの重い症状が出た場合は、ためらわず医療機関で手当てを受けることが大切だ。タイの海岸では、雨季に海が荒れる時期になると、ブルーボトルやカツオノエボシの仲間が打ち上げられる例が各地で報告される。潮の流れや高波だけでなく、こうした危険な生き物にも気をつけたい。とくに小さな子どもは、珍しがって拾い上げてしまうことがあるため、保護者の目配りが欠かせない。