バンコクの繁華街トンローで、カタール人観光客がバイクの2人組にバッグを奪われる事件があり、警察は実行役の男を逮捕した。男は宅配の配達員で、奪った金は生活費とネット賭博に充てたと供述しているという。事件には見張り役や運転役も加わっており、警察は3人組による計画的な犯行とみている。
警察によると、事件が起きたのは6月2日、スクンビット・ソイ38付近。バイクに乗った2人組がカタール人観光客のバッグをひったくり、スクンビット通りの方向へ逃走した。バッグには現金2万バーツ(約9万8,000円)と500米ドル、クレジットカードなどが入っていた。被害者が翌日に届け出て、トンロー署などが捜査を進めた。
逮捕されたのは、26歳の配達員アヌソーン容疑者。実際にバッグをひったくった実行役とされる。警察は、ほかに被害者に目をつける見張り役だった30歳の男と、バイクを運転した32歳の男の2人を特定し、逮捕状を取るための証拠を集めている。3人で役割を分担した、組織的なひったくりだった構図が浮かぶ。
逃走に使われたバイクは、ナンバープレートに黒いシールを貼って番号が読めないように細工されていた。足がつかないよう周到に準備していたとみられる。アヌソーン容疑者は、奪った金のうち6,000バーツ(約2万9,000円)を受け取り、バッグは捨てたと認めている。その金は、生活費とオンラインギャンブルに使ったと供述したという。タイではオンラインギャンブルが法律で禁じられているものの、スマートフォンを使った違法な賭博が若者を中心に広がり、社会問題になっている。賭けで負けた穴を埋めようと借金を重ね、さらにはひったくりのような犯罪に走る例も指摘されており、今回の供述もその一端をうかがわせる。
トンローは、日本人をはじめ外国人の居住者や観光客が多く集まるエリアでもある。バイクによるひったくりは、歩いている隙や、スマートフォンに気を取られた瞬間を狙われやすく、観光地での被害が後を絶たない。今回のように複数人で役割を分けた犯行もあり、人通りの多い場所でも油断はできない。バッグは車道と反対側に持つ、肩から斜めがけにする、現金やカードを分散させるなど、基本的な備えが身を守ることにつながる。