タイの観光都市パタヤで6月28日に市長選と市議会議員選が行われるのを前に、夜の歓楽街を支える事業者たちが、次の市長に向けて要望を打ち出した。柱は、現在は午前4時となっている娯楽施設の営業終了時間を、午前6時まで延ばすことだ。さらに、歓楽街の区域(ゾーニング)を見直して対象エリアを広げることや、行政と民間が連携して観光を盛り上げることも求めている。世界に通用する観光地であり続けるための提案だという。
「午前4時から6時へ」
要望をまとめたのは、パタヤ・ナイトライフ事業者協会の会長リサ・ハミルトン氏ら、地元の夜の業界の関係者だ。最大の焦点は、営業時間の延長である。タイでは国の方針で、娯楽施設の営業は午前4時までと定められているが、業界側は、指定された歓楽街の区域では、これを午前6時まで認めるよう求めている。
タイ政府は観光振興のため、2024年からバンコクやプーケット、パタヤを含む一部の観光地で、それまで深夜2時までだった営業を午前4時まで認める措置をとってきた。今回の要望は、これをさらに一歩進めるものだ。背景にあるのは、夜遅くまで楽しみたいという観光客のニーズと、それに応えることで街の経済を回したいという思いがある。世界各地の観光地との競争の中で、パタヤの強みである「眠らない街」の魅力をさらに引き出そうという狙いだ。
ゾーニングの見直しも
もう一つの要望が、歓楽街のゾーニングの見直しだ。街の発展に合わせて区域の指定を更新し、ジョムティエンのような今後の伸びが期待できるエリアにも、娯楽施設の区域を広げることを提案している。
ハミルトン氏は「新しい市長にも、この緊密な協力関係を続けてもらい、街と観光産業の円滑な発展につなげてほしい」と述べ、行政と民間が手を組んで取り組むことの重要性を強調した。
6月28日の市長選
これらの要望は、6月28日に迫ったパタヤの市長選・市議選をにらんだものだ。市長選には、現職のポラメート・ガムピチェート氏のほか、人民党のイッティワット・ワッタナサトーン氏、無所属のサクチャイ・タンホー氏ら複数の候補が名乗りを上げている。
夜の歓楽街は、パタヤの観光と経済を支える大きな柱であり、その営業時間や区域の扱いは、街の今後を左右するテーマの一つだ。一方で、営業時間の延長には、騒音や治安、近隣住民の暮らしへの影響を懸念する声もあり、観光振興と生活環境のバランスをどう取るかも問われる。誰が市長になり、業界の声にどう応えるのか。観光でパタヤを訪れる人にとっても、無関係ではない選挙となりそうだ。
