タイの観光地パタヤで、日本人観光客が現地の女性と料金をめぐって口論になり、殴り合いに発展する騒ぎがあった。6月3日未明、パタヤ・ビーチ通りで起きたもので、40歳の日本人男性が左の眉に約1センチの切り傷を負った。二人はそろって警察に連れて行かれ、けんかをしたとしてそれぞれ500バーツ(約2,500円)の罰金を科された。夜の歓楽街にひそむ、ささいなことから生じるトラブルの一例である。
ウォーキングストリートでの出会いから乱闘へ
きっかけは、繁華街ウォーキングストリートでの出会いだった。相手はタイ人のトランスジェンダー女性で、3,000バーツで同行を持ちかけたとされる。しかし、男性のホテルがパタヤ・ナクルア方面に1.5キロ以上離れていると分かると、女性は疲れたとして別の移動手段を提案した。
男性がさらに歩くよう促したり、相手を帰らせようとしたりしたところ、女性は付き合った時間の代償として1,000バーツを求めた。男性がこれを拒んだことから口論となり、互いに手を出す事態に発展したという。男性は酒に酔っていた様子だったとの情報もある。
双方に「けんか」で罰金、タイの法律の考え方
騒ぎを見た周囲の人々が二人を引き離し、ともにパタヤ市警察署へ連れて行った。警察は、どちらが先に手を出したかにかかわらず、双方をけんかをしたとして立件し、それぞれに500バーツの罰金を科した。けがをした男性には、診断書を取るよう助言したという。
タイでは、たとえ一方的に挑発されたとしても、殴り合いになれば双方が処罰の対象になりうる。売られたけんかを買った側も同じように責任を問われる点は、日本の感覚とは異なる部分かもしれない。手を出した時点で、被害者であると同時に加害者にもなってしまう。
料金トラブルを避けるために
パタヤは、ウォーキングストリートを中心に夜通しにぎわう歓楽街として知られ、世界中から観光客が集まる。その一方で、声をかけられて同行を持ちかけられたり、後から思わぬ金額を請求されたりするトラブルは、以前から繰り返し報告されてきた。多くは穏便に収まるが、今回のように暴力沙汰や警察沙汰へと発展することもある。
最初に提示された金額と、後から請求される金額が食い違うのは、もめ事の典型的なパターンだ。今回も、同行の対価をめぐる認識の違いが発端だった。あいまいなまま話を進めず、条件をはっきりさせておくことが、トラブルを避ける第一歩になる。
また、酒に酔った状態では冷静な判断が難しくなる。少額のもめ事でも、手を出してしまえば警察沙汰になり、罰金や面倒な手続きが待っている。けがをした場合に診断書を取っておくことは後の手続きで役立つが、そもそももめ事に巻き込まれないことが一番である。見知らぬ土地での夜遊びでは、引き際を見極める落ち着きが、自分の身を守ることにつながる。