タイの人気リゾート、サメット島のホテルで、女性の宿泊客が何者かに部屋で襲われ、危うく難を逃れる事件があった。被害者は抵抗し、駆けつけた夫によって難を免れたが、ホテルの警備態勢の甘さが厳しく問われている。被害者の知人が事件をSNSで公表し、ほかの旅行者に注意を呼びかけたことで、広く知られることになった。
サメット島のホテルで起きた襲撃
サメット島は、バンコクから車とフェリーで数時間ほどのラヨーン県沖に浮かぶ島で、美しいビーチを目当てに国内外から多くの観光客が訪れる。週末や連休には予約が取りにくくなるほどの人気で、今回のような事件は、行楽地としてのイメージにも影を落としかねない。
事件が起きたのは、その島のアオチョー付近にある高級ホテルとされる。被害者の女性は、子どもや妊婦を含む12人のグループで訪れており、滞在初日の夜に部屋へ侵入してきた人物に襲われた。女性が抵抗するなか、夫が部屋に戻ってきたことで、犯人はその場から逃げ去ったという。
幸い女性は命を取り留めた。警察は事件後まもなく容疑者を逮捕したとされるが、容疑者の身元や具体的な容疑については明らかにされていない。被害者のプライバシーに配慮し、詳しい状況は伏せられている。
浮かび上がった警備の不備
この事件で問題視されているのが、ホテルの警備態勢である。知人によれば、外部の人物が客室に入り込んだうえ、グループの仲間が助けを求めて警備員を探したものの、見つけられなかったという。助けを呼んでも、すぐにホテルの従業員が対応することはなかったとされる。
さらに、ホテル側のその後の対応にも批判が集まっている。経営者は被害女性を別の部屋に移す一方で、事件のあった部屋を別の客に提供しようとしたとされ、知人はこれを安全への配慮を欠いていると非難した。ホテルは今のところ、公式な説明を出していない。
被害者側がSNSで体験を公表したのは、同じ目に遭う人を増やさないためでもある。タイでは、利用者がSNSで店やホテルの問題を告発し、それが改善につながることも少なくない。だからこそ、ホテル側が説明責任をどう果たすかが問われている。
リゾート滞在で身を守るために
観光客でにぎわうリゾート地のホテルであっても、警備が万全とは限らない。今回のように、客室に部外者が侵入できてしまう状況は、宿泊客にとって大きな不安材料である。チェックインの際に、部屋のドアの施錠がしっかりしているか、緊急時の連絡先や警備の体制を確認しておくと安心だ。
また、ドアチェーンや補助錠があれば必ず使い、不審な物音がしても無理に一人で確認せず、フロントや同行者に連絡する。家族やグループで泊まる場合は、いざというときに助け合えるよう、部屋の位置や連絡手段を共有しておくとよい。楽しいはずの旅先だからこそ、最低限の備えが身を守ることにつながる。