タイの人気リゾート、サメット島のホテルで女性宿泊客が部屋で襲われた事件で、ホテル側が事件当時に警備員を配置していなかったことを認め、被害者に謝罪した。ただ、その声明はその後、ホテルのSNSから削除された。理由は説明されておらず、ホテルの対応に新たな疑問が向けられている。 (関連記事:サメット島のリゾートホテルで宿泊客が襲われ生還、警備不備に批判)
ホテルが警備員の不在を認める
問題となっているのは、ラヨーン県のサメット島にあるホテルである。先日、宿泊していた女性が部屋に侵入してきた人物に襲われ、駆けつけた夫によって難を逃れた。この事件をめぐり、ホテルは当初、公式な説明を出していなかった。
その後に出された声明で、ホテルは、事件が起きたとき警備員が配置されておらず、その時間帯の責任は当直の責任者にあったと認めた。あわせて被害者に謝罪し、職員は事件のあいだ連絡を取り続けていたと説明。容疑者は30分以内に取り押さえられ、その後、来訪者の確認を厳しくするなど警備を強化したとした。
謝罪の声明、しかし削除
ところが、この声明はその後、ホテルのフェイスブックのページから削除された。なぜ取り下げたのか、ホテルは明らかにしていない。いったん非を認めて謝罪しながら、その言葉を引っ込めた形で、対応のちぐはぐさが際立つ。
いったん出した謝罪を取り下げる行為は、法的な責任を恐れた末の判断とも受け取られかねず、かえって不信を招く。問題が起きたときに、隠さず、ぶれずに対応できるかどうかが、施設の信頼を大きく左右する。被害者の知人は、助けが遅れたことや警備員がいなかったことを引き続き批判している。SNS上でも、ホテルがきちんと説明すべきだという声が続く。なお、ホテルの名前は公表されていない。容疑者は逮捕されたものの、その後の法的手続きについて、警察からの説明はまだない。
観光地の安全をどう守るか
リゾート地のホテルにとって、宿泊客の安全は最も基本的な責任である。今回のように、客室への侵入を許し、いざというときに警備員もいないという状況は、それ自体が大きな問題だ。さらに、事後の対応が二転三転すれば、利用者の信頼はいっそう失われる。
事件をきっかけに、被害者側がSNSで情報を発信し、世間の関心を集めた。こうした声が、ホテルや業界に安全対策の見直しを促す力にもなる。旅先で安心して泊まれるかどうかは観光客にとって切実な問題であり、ホテル側の誠実な対応が問われている。