5月27日未明、タイ東北部ナコンラチャシマ県(通称コラート)にある大麻の乾燥工場で火災が発生し、数百万バーツ規模の損害が出た。出火元は乾燥機とみられ、消防は鎮火までに2時間以上を要した。タイの大麻産業が再規制で縮小に向かうなかでの、関連施設の火災となった。
乾燥機から出火、2時間以上燃える
火災が起きたのは27日午前2時ごろ。コラート市ノンブアサラ地区にある大麻の乾燥工場で、乾燥機から火が出て建物に燃え広がった。警察と消防が出動し、鎮火までに2時間以上かかった。
初期の調べでは、工場の建物や機械、乾燥させていた大麻に被害が及んだ。被害総額は数百万バーツにのぼるとみられ、工場側がなお全容を確認している。深夜の時間帯に起きた火災で、人的被害の有無についての詳しい情報は伝えられていない。
揺れ動いてきたタイの大麻政策
火災そのものは事故とみられるが、舞台となった大麻の乾燥工場は、ここ数年で大きく揺れたタイの大麻政策を映す存在でもある。
タイは2022年に大麻を麻薬指定から外し、事実上の解禁に踏み切った。これを機に大麻ショップや栽培・加工施設が急増し、一時は一大産業の様相を呈した。ところが2025年6月、政府は方針を転換し、大麻の花を医療用に限る「規制ハーブ」へと位置づけ直した。
4割が閉店、縮小する業界
再規制によって、大麻の花の販売には医師の管理が必要となり、購入には不眠や慢性的な痛みといった特定の症状に対する処方が求められるようになった。報道によれば、2026年初めの時点で全国の大麻ショップ約1万8千店のうち、およそ4割にあたる7千店超がすでに閉店したとされる。
解禁ブームのなかで生まれた栽培や加工の設備は、こうした規制強化のなかで行き場を狭めている。今回の乾燥工場の火災も、その渦中で起きた出来事といえる。残った事業者は、医療向けという新しい枠組みのなかで生き残りを探っている。