バンコク中心部のバンラック地区で7月3日昼、建設用のクレーンが倒れ落ちる事故があった。地元の交通情報「JS100」などによると、現場はチャルンクルン通りのソイ36で、正午すぎの午後0時25分ごろに発生した。付近を通行していた人々を驚かせ、これまでに1人が負傷したと伝えられている。救急隊が出動して手当てにあたり、当局は周辺を一部封鎖して、被害の状況と原因を調べている。
チャルンクルンの工事現場で
事故が起きたのは、バンコクでも古い街並みと再開発が入り交じるバンラック区のチャルンクルン地区だ。チャオプラヤ川沿いにホテルや商業施設が立ち並び、各所で建設工事が進む一角で、建設用のクレーンが崩れ落ちた。事故の直後、関係機関に通報があり、救急車と救助隊が現場へ向かった。負傷者は現場内で確認され、病院へ搬送されたという。警察は危険を避けるため、周囲に人が近づかないよう規制線を張っている。倒壊の原因については、現時点では明らかにされていない。
相次ぐ建設・クレーン事故
タイでは近年、建設現場での重大な事故が相次ぎ、安全管理への批判が高まっている。2026年1月には、建設中のクレーンが走行中の列車に倒れかかる事故が起き、30人が死亡、70人近くが負傷する惨事となった。その翌日にも、バンコク近郊のラマ2世通りで別のクレーンが倒れ、2人が死亡している。2025年には、地震で建設中の高層ビルが崩落し、多くの犠牲者が出たことも記憶に新しい。大型の建設プロジェクトが各地で進むなか、事故のたびに、施工業者や管理体制への厳しい目が向けられてきた。
「ラマ2世通り」に象徴される問題
とくに、バンコクと南部を結ぶラマ2世通りは、長年にわたって工事に絡む事故が絶えないことで知られる。過去7年で2500件を超える工事関連の事故が起きたとされ、いつまでも完成しないことから皮肉を込めて呼ばれることもある。工期を優先した無理な作業や、設備の管理不足が事故の背景にあるとの指摘も根強い。都市の発展を支える工事現場が、同時に危険の源にもなっているのが実情だ。
問われる都心部の工事安全
今回の事故は、幸い負傷者が1人にとどまったとみられる。ただ、人通りの多い都心部でクレーンが倒れれば、一歩間違えば大惨事につながりかねない。急速な都市開発が続くバンコクでは、歩行者や近隣住民にとって、身近な工事現場の安全がそのまま自分の身の安全に関わってくる。当局が事故原因の究明と、再発防止に向けた実効性のある対応を迫られるのは間違いない。


