バンコクの都市鉄道MRTブルーラインが、7月3日から運賃を引き下げる。6駅以上の区間で1バーツずつ安くなり、上限運賃はこれまでの45バーツから44バーツになる。コンセッション契約に基づく2年ごとの見直しで、物価指数が下がったために運賃も下方修正された。値上げの話題が多いなかで、鉄道運賃が下がるのは珍しい。
6駅以上の区間で1バーツ安くなる
値下げが適用されるのは、乗車する駅の数が6駅以上の場合である。具体的には、6駅までの運賃が30バーツから29バーツ、8駅までが35バーツから34バーツ、10駅までが40バーツから39バーツ、そして12駅以上が45バーツから44バーツになる。最低運賃の17バーツは変わらず、改定後の運賃は17バーツから44バーツの範囲となる。
1バーツという下げ幅は小さいが、ブルーラインはバンコクの中心部を環状に近い形で結ぶ主要路線で、通勤や通学、観光で日常的に使われている。毎日利用する人にとっては、わずかながら負担が軽くなる。
物価指数に連動した算定式が値下げを発動した
今回の値下げは、運賃を恣意的に下げたものではなく、契約で定められた仕組みに沿ったものである。ブルーラインの運賃は、所管するMRTAと運営事業者の契約で、2年ごとに見直すことが決められている。
その算定には消費者物価指数(CPI)が参照される。直近の見直しで指数が下がったため、計算式に従って運賃も引き下げられることになった。物価の動きが、そのまま運賃に反映される形である。新しい運賃の規定は5月26日付で官報に掲載された。
パープルラインは据え置き
一方、郊外を結ぶMRTパープルラインの運賃は、14バーツから42バーツのまま据え置かれる。こちらは2016年以降、運賃が変わっていない。生活費の上昇が続く状況や政府の政策を踏まえ、値上げが見送られてきた。
バンコクの公共交通は、近年の路線網の拡大で利用者が増え続けている。運賃をめぐる議論は、通勤者にも観光客にも関心の高いテーマである。今回のブルーラインの値下げは幅こそ小さいものの、物価に連動して運賃が動く仕組みが実際に働いた一例といえる。