トヨタ・モーター・タイランドは2026年5月25日、100%電気自動車「トヨタ bZ4X」のマイナーチェンジモデルをタイで正式発表した。価格はLong Range FWDが1,529,000バーツ(約705万円)、Long Range AWDが1,649,000バーツ(約760万円)の2グレード展開。日本からの完成車(CBU)輸入として導入され、73.1kWhの大型バッテリーで航続距離はWLTPサイクル525km(FWD)・481km(AWD)に達する。保証は車両5年/150,000km、高電圧バッテリー8年/160,000km、初年度自動車保険(第1等級)無料という、タイの輸入EV市場では破格水準のサポート体制を整えている。中国系BYD・Geely・Aionなど低価格EVの攻勢に対し、日本車・トヨタブランドの信頼性と保証を武器に長期保有層を取り込む戦略。
152万9000B(FWD)/164万9000B(AWD)の2グレード
トヨタ・モーター・タイランドが発表した正式価格は以下の通り。
いずれも日本からの完成車(CBU: Completely Built-Up)輸入で、日本の工場で組み立てられた個体がそのままタイ国内ディーラーで販売される形となる。タイ国内生産モデルではなく、輸入関税が乗っているため、中国製のBYD Sealion 7(約140-160万B)や、Geely EX5(同価格帯)よりやや高い価格設定となっているが、品質管理とサービス体制で差別化を図る姿勢を見せている。
バッテリー73.1kWh、急速充電10-80%が28分
両グレード共通の技術仕様は以下のとおり。
- バッテリー: リチウムイオン 73.1kWh
- DC急速充電: 最大150kW、10-80%充電が約28分
- AC充電: 最大22kW
- WLTP航続距離: FWD 525km、AWD 481km
- NEDC航続距離: FWD 600km、AWD 570km
73.1kWhのバッテリー容量は、初期型bZ4Xの71.4kWhから増量され、航続距離も延長された。150kW DC急速充電に対応するため、タイ国内のEAA(電気自動車協会)認定急速充電スタンド網での運用が想定される。
FWDは224PS、AWDは343PSのデュアルモーター
パワートレインの違いは以下のとおり。
- FWD: フロントモーター単体、224PS / 269Nm
- AWD: フロント+リアのデュアルモーター、合計343PS
FWDは日常使いに十分な動力性能で航続距離を最大化、AWDは加速性能と悪路走破性を強化する構成。トヨタの伝統的なAWD技術と、EV特有の即時応答型トルクを組み合わせた仕様となっている。
装備、14インチ画面+TSS全車標準
両グレード共通の装備として、以下が含まれる。
- 7インチドライバー前ディスプレイ
- 14インチインフォテインメント・タッチパネル(Apple CarPlay / Android Auto対応)
- 合成皮革シート、8way電動調整+メモリー機能
- スマートエントリー+プッシュスタート
- デュアルゾーン・オートエアコン
- Toyota Safety Sense(TSS): 衝突被害軽減ブレーキ、アダプティブクルーズコントロール、車線維持アシスト、自動ハイビーム
- ブラインドスポットモニター、後方クロストラフィックアラート
トヨタEV独自の「e-Care」リモートサービス、Toyota Connected Thailand によるテレマティクスサービスもセットアップ可能。
業界最長クラスの保証、5年/15万km
トヨタ・タイランドが提示する保証パッケージは、タイの輸入EV市場では業界最長クラス。
- 車両保証: 5年または150,000km
- 高電圧バッテリー保証: 8年または160,000km
- 1年目第1等級自動車保険(クラス1): 無料
中国系EVブランドの多くは車両保証3-5年、バッテリー保証6-8年/120,000kmの水準で、トヨタは特にバッテリー保証で160,000kmを設定することで「電池が劣化したらどうしよう」というタイ消費者の不安を打ち消しに行く。
タイEV市場、中国勢攻勢への日本車の応答
タイのEV市場は、2024-2025年にBYD、Geely、Aion、長安(Changan)、Omoda、テスラなど中国勢の攻勢で急拡大した。バンコク・モーターショー2026での予約集計でもEVが過半数を占め、その大半は中国系ブランドが占めている。トヨタ・ホンダ・日産・三菱といった日本車メーカーはやや遅れる形でEV市場に参戦してきたが、bZ4X、Honda e:N1、日産Sakura、三菱Xforce HEV といったモデル展開を加速している。
トヨタbZ4Xのマイナーチェンジは、日本車陣営の本格的なEV参戦を象徴する案件で、価格こそ中国勢より高めながら、長期保有層・法人需要・既存トヨタ顧客の囲い込みを狙う戦略商品と位置付けられる。
日本との価格比較、タイで約705万円
日本国内のbZ4X 2026年モデルは、価格帯が550-650万円程度。タイでのbZ4X Long Range FWD価格1,529,000バーツは現在のレート(1B=4.6円換算)で約705万円となり、日本価格より100-150万円高い計算になる。これは日本からのCBU輸入関税・輸送費・現地ディーラーマージン等が上乗せされた結果で、タイのEV補助金(EV3.5政策、最大100,000バーツ)が適用された後でも日本価格を上回る。




