タイ気象局(กรมอุตุนิยมวิทยา)が2026年5月2日、タイが5-7月にエルニーニョ現象の発生フェーズに入る確率を61%と発表した。少雨と高温の長期化リスクを警告し、農業・水資源・電力需要への波及に備える必要があると示唆した。5月初旬は雨量が減少傾向で北部・中部の猛暑が続き、5月4日から8日にかけては局地的な雷雨が増える予報も同時に示された。
エルニーニョは太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなる現象で、東南アジアでは雨量減少と猛暑が組み合わさる傾向がある。これまでタイは比較的中立的な状態が続いていたが、2026年後半にかけてエルニーニョ寄りに傾く可能性が高まっている。同様の警戒は4月27日にタイ農業省が4戦略でスーパーエルニーニョに備える方針を打ち出した時点でも示されており、人工降雨と作物転換による農家支援が動き出している。
5月初旬の天候は、雨量が全体に減少傾向だが、北部・中部では雷雨と突風の局地発生がまだ残る不安定な状態だ。北部・中部の最高気温は35-40度の範囲で推移し、一部で40度を超える「危険」レベルの猛暑日となる。5月4日から8日にかけては全国で局地的な雷雨と強風の頻度が増えると予想されている。
エルニーニョ確率が60%を超えると、農業・電力業界では雨季水量予測の修正に動くのが通例だ。タイの主要ダムは雨季入り前の水位低下が進んでおり、本格的なエルニーニョが到来すれば下半期の水不足リスクが高まる。ドリアン・米・キャッサバなど主要農産物の収穫量にも影響が広がる可能性がある。
電力面でも、猛暑で冷房需要が膨らむ一方、水力発電の出力低下と燃料火力依存の増加が見込まれ、電気料金の上振れリスクが続く。先日もニコン社会福祉相が政府機関のソーラールーフ設置加速を発表したばかりだ。
在タイ日本人にとっても、長期的なタイ生活コストと旅行計画への影響が予想される。雨季入りが遅れれば乾季の延長で観光業はプラス材料になる一方、農村地帯への旅行や郊外居住者は水道供給の安定性に注意が必要となる。気象局は7月までの観測データを定期的に更新する見通しだ。