バンコク都庁(BMA)が、タイ製EdTechスタートアップEdsy(エッジー)が開発したAI英語コーチアプリ「Edsy AI Coach」を管下136校・6年生14,000人以上に本格展開し、パイロット段階の評価で英語の正確性14%、発音12%、流暢さ10%の向上を確認したと2026年5月2日付Prachachatの報道で明らかになった。SVOA(パブリック・カンパニー)と連携した公立校向けのデジタル教育プロジェクトとなる。
EdsyはAIを使って英語の発音・文法・聞き取りをマンツーマン指導する学習アプリを開発するタイ発のスタートアップで、生徒のスピーキング音声をAIが解析してリアルタイムでフィードバックを返す仕組みを持つ。バンコク都庁は教育格差の縮小と英語力底上げを目的に同社と提携し、まずパイロット校で試験運用したうえで、評価結果を踏まえてフェーズ1として136校へ拡大した。
パイロット評価では、わずか2ヶ月の運用期間で次の3指標の改善が確認された。
| 評価指標 | 改善幅 |
|---|
| 正確性(accuracy) | +14% |
| 発音(pronunciation) | +12% |
| 流暢さ(fluency) | +10% |
BMAは英語教育の3本柱として「学生開発」「教師開発」「テクノロジー統合」を掲げており、Edsy AI Coachは技術統合の主要施策に位置付けられる。タイの公立校では英語教師の不足や指導品質のばらつきが長年の課題となっており、AIコーチが教師1人あたりの負担を軽減しながら、生徒1人ひとりに個別対応する補助役を担う構図だ。
タイ全体としても英語教育のデジタル化は加速している。先日発表された日泰KOSEN教育協力では日本のAI Labをモデルにした教師事務支援が議論されており、教育省の5政策にもAI活用が明記されている。BMAの今回の展開はその先行事例となる。
在タイ日本人にとっては、子供をBMA管下のタイ語ローカル校に通わせている家庭で、6年生の英語授業に変化が出始める可能性がある。インターナショナルスクール在籍児には直接影響しないが、駐在員家庭の選択肢として「ローカル校でAI英語教育」という新しい選択肢が現実味を帯びてきた。EdsyはMIT Solveの2024年Global Learning Challengeにも選ばれており、技術面での評価は国際的にも一定の地位にある。