ラヨーン県ニコムパッタナー郡マブカー区の建設現場で4月26日、タイ人作業員と中国人作業員の集団乱闘が発生した。複数名が負傷し、警察と行政、国家保安局(コーラムン・ラヨーン県)が4月27日に現場を視察、両側の現場責任者と関係作業員の聴取を始めた。きっかけは「言語が通じない」コミュニケーション断絶で、同地区は工業団地が集積し外国人労働者の存在感が大きい場所だ。
4月26日に発生した乱闘は、互いの言葉が通じない状況下での誤解からエスカレートしたとみられる。詳細な人数は明らかにされていないが、複数名が負傷した。罪状は個別判断で、公共の場での暴行・騒乱に該当する可能性がある。事業者は現場の一部作業を停止し、タイ・中国それぞれの作業員を分離して再発防止を図った。
警察と行政、国家保安局のラヨーン県情報収集チーム(ชรต.112)が監視カメラを精査し、行為者の特定を進めている。あわせて通訳の手配を急ぎ、「言語問題」を構造的に解消する措置に着手。事業者には類似事案を防ぐためのコミュニケーションマニュアル整備が求められる流れだ。
ラヨーン県は東部経済回廊(EEC)の中核で、自動車・電子機器・化学などの工業団地が密集する。日系・中国系・台湾系の企業が混在し、外国人労働者の比率も高い。今回の事件は「ニコムパッタナー郡」(=工業団地開発郡)で起きており、現地スタッフ間の文化・言語ギャップが業務効率だけでなく安全管理にも影響することを浮き彫りにした。
ラヨーンには日系自動車・部品メーカー、化学プラントが多数立地し、駐在員家族のコミュニティもある。今回の乱闘は中国人作業員の規模が大きい現場での出来事で、日系直接の関係はないが、近隣施設への波及や地域住民の警戒度上昇は無視できない。同地区での建設・工事案件を抱える企業は、現場の言語サポート体制を点検する局面にある。
当局は「ナムプンヨートディアオ」(滴りの蜂蜜=小さな衝突が大きな事案に発展する例え)を懸念し、外国人労働者全体のイメージや、ラヨーン工業団地への投資信頼への長期的影響を回避したい構え。聴取と監視カメラ解析の結果次第で、現場責任者にも管理責任が問われる可能性がある。