タイ南部スラータニー県パンガン島ムー3地区で2026年5月1日、イラン人夫妻と61歳のタイ人女性が共同運営する違法私立学校が摘発された。中にいたイスラエル国籍の児童89人(2歳から12歳)と、フランス・南アフリカ国籍の教員6人、ミャンマー人労働者40人を含む大規模な施設だったことが判明し、第4軍管区(プロットセティップ大佐指揮)と治安部隊、パンガン島警察、入国管理局、行政担当者の合同捜査で全貌が明らかになった。
施設の管理者はペチャブーン県出身のタイ人女性ナンプラトゥムティップ氏(61歳)で、会社役員として登録されていた。共同所有者は45歳のイラン人男性MR.AIDIN氏と45歳のイラン人女性Ms.NEGER氏の夫妻。当局への許可申請書では「2歳から5歳までの18人を対象にした保育施設」と申告されていたが、実際には2-12歳の幅広い年齢層を対象にした私立学校として運営されていた。
容疑は違法外国人労働者雇用と無許可学校経営の2つ。フランス・南アフリカ国籍の教員6人については、外国人就労許可なしでの教育業務に従事していた疑いがある。ミャンマー国籍の労働者40人とその他国籍の労働者12人についても、雇用形態と就労許可の確認が進んでいる。施設の管理者は「私立学校開設の許可は手続き進行中」と主張したが、その場で許可書を提示できなかった。
イスラエル人児童89人については、保護者がパンガン島に滞在中の家族か、近隣のサムイ島・タオ島を含む長期滞在外国人コミュニティの子弟と見られる。タイ南部の島嶼エリアは、イスラエル人を含む外国人の長期滞在地として知られ、コミュニティ専用のサービスや子供向け施設が増えている一方、許認可手続きが追いついていない例も多い。
直近では2026年4月4日にも同じパンガン島でイスラエル人女性運営の違法保育施設2か所が摘発され、計23人の幼児が見つかった事件があった。今回はそれより大幅に大きい規模の違法施設で、運営者の国籍構成(イラン人夫妻+タイ人女性)と入所児童の規模(イスラエル人89人)の双方で全国的な注目を集めている。
在タイ日本人にとっても、サムイ島・パンガン島周辺の外国人向け教育・保育サービスを利用する場合の許認可確認の重要性が改めて浮き彫りになった。タイの私立学校・保育施設は、文部省(OEC・OPEC)と地方教育委員会の許可制度に従う必要があり、無許可施設での事故・健康被害が起きても保護救済が困難となるケースがある。