バンコク郊外のサムットサコン県メアン郡コークカム区のショッピングモール内にある金店「ヤワラート・クルンテープ」に2026年5月1日午後7時40分、ライダー服とフード付き覆面で身を包んだ単独犯が押し入り、自動式拳銃で店員を脅したうえショーケースを飛び越えて金製品23バーツ(重量、約350g、市場価値で160万バーツ超)を奪い、逃走した。サムットサコン県警は即座に捜査チームを編成し、追跡を始めた。
通報を受けたのは県警通信指令室で、午後8時前にはサムットサコン地域警察ピシット長官、ティーラデート県警部長、コークカム署ジャクラポン署長、チャイヤプーム副署長らが現場に集結した。被害店員によると、犯人は身長約170センチで、上下黒のフードジャケット型ライダー服にフルフェイスを覆う黒い覆面を装着していた。普通のフードデリバリー配達員と区別がつかない外見で店に入り、油断した店員に拳銃を向けた瞬間、計画的な強盗だったことが判明したという。
ライダー風の服装は、タイの主要都市で日常的に見られる景観の一部となっており、商業施設に出入りしても警戒されにくい。今回の犯人はその死角を突いた形となる。サムットサコンは首都バンコクの西隣で工業団地と商業施設が集中する県で、グラブやフードパンダの配達員が常に行き来している。
被害金額の160万バーツは日本円換算で約700万円規模。タイの金店は2026年に入ってから金価格が高止まりしており、強盗事件が散発的に発生している。直近ではコラートで4月26日に発生した中国人2人による金店強盗が、現場の中国製タバコ吸い殻を手がかりに4月27日にバンコクで2人を逮捕した事例もあった。今回の犯人もモール周辺の防犯カメラ映像、車両ナンバー、覆面入手経路などから特定が進む見通しだ。
在タイ日本人にとっては、ショッピングモール内の金店は両替・小遣い稼ぎ・贈答などで利用する機会も多い。犯行が起きたのは平日夜の比較的人出の少ない時間帯で、モール閉店前後の時間に金店周辺に近づく際は、後方への注意とライダー風の不審人物の動きに警戒したい。タイの金店は普段から警備員配置と防犯カメラを重ねているが、ライダー姿という新しい変装パターンが今後の対策課題になる。