タイの石油大手PTTが運営するPTT Stationが、パーム油由来バイオディーゼルを20%混合した「B20」軽油の給油拠点を全国120ステーションに拡大したと2026年5月1日に発表した。タイ国内最大のB20給油ネットワークとなり、通常のディーゼル燃料(B7)より1リッターあたり約7バーツ安く、トラック・トレーラーヘッド・バス・農業機械を運用する事業者の燃料コスト削減を後押しする。
B20軽油は、通常の石油由来ディーゼルにタイ国産パーム油から製造したバイオディーゼルを20%混ぜた燃料。混合率を高めることで石油輸入依存を減らし、タイ国内のパーム農家・搾油業者・精製業者にも経済循環を回す狙いがある。エネルギー安全保障とエネルギー価格安定の両立につながる政策燃料という位置付けだ。
価格面では、1リッターあたり7バーツの差額は大型車両運用業者にとって大きい。月間1万リッター消費する小規模事業者で月7万バーツ(約30万円相当)、月10万リッター消費する大型物流会社で月70万バーツ(約300万円相当)の節約計算となる。タイのディーゼル価格は4月以降の中東情勢で高止まりしており、運送業者にとって燃料費は最も圧力のかかるコスト項目だ。
対象車種はB20仕様に対応するトラック、トレーラーヘッド、バス、農業機械など、毎日大量の燃料を使う車両が中心となる。古いディーゼル車や小型乗用車(B7のみ対応)は対象外で、メーカー保証範囲を要確認となる。
PTT傘下の小売子会社OR(PTT Oil and Retail Business Plc)のピマーン・プールスリー副会長は、「PTT Stationはビジネスパートナーとしての役割を果たし、ルート計画の効率化、継続的な給油確保、コスト管理の向上を通じて顧客企業のオペレーションを支援する」とコメントした。
在タイ日本人にとっても、タイで物流業を営む駐在員、農業関連企業、配送系スタートアップなど、ディーゼル車両を多数運用する企業は今回の拡大の恩恵を受けやすい。一般の駐在員でもピックアップトラックや大型SUVのディーゼル車を所有している場合、メーカー仕様書を確認したうえでB20対応車であれば直接的な家計効果がある。