タイ労働相のチュラパン・アムロンウィワット氏が2026年5月1日のメーデー(วันแรงงานแห่งชาติ/国民労働の日)を前に、雇用主がメーデーに従業員を働かせる場合に必要な賃金支払いルールを改めて確認した。労働保護法B.E.2541(1998年制定)の規定に基づき、メーデーは法定祝日であり、原則として労働者は通常勤務日と同等の賃金を受け取る権利を持つ。労働省人材福祉保護局は2026年4月17日付で関連通知を発布し、業界別の取り扱いを明確化している。
基本ルールはシンプルで、メーデーは法定祝日のため労働者には休日が与えられ、賃金は通常勤務日と同等が支払われる。週休日とメーデーが重なった場合、雇用主は翌平日を振替休日として与える義務がある。これによって労働者の年間休日数が減らないよう保証されている。日系企業を含む在タイ外資系企業も同じルールに従う必要がある。
業務継続必須の業種は別の取り扱いとなる。ホテル・飲食・医療機関・運輸・各種サービス継続業種では、雇用主と労働者の合意に基づき「別日に振替休日を取る」か「休日労働手当を支払う」のいずれかを選択できる。コンドミニアム管理人・コンビニ店員・配送員・タクシー運転手・航空会社などタイの主要サービス産業はこのカテゴリーに該当し、5/1当日に出勤するスタッフには法的に追加賃金支払いが義務付けられる。
メーデー出勤時の追加賃金は、通常賃金の1倍以上を「休日労働手当」として加算(つまり日給の2倍以上を支払う)。メーデーに残業(時間外労働)が発生した場合、その残業時間については時間給の3倍以上を支払わなければならない。これに違反すると労働保護法違反として雇用主に行政罰や民事罰が科される。問い合わせ先は労働者福祉保護局の地方事務所およびホットライン1506(押3)と1546。
在タイ日本人にとって、自営業・フリーランスでタイ人スタッフを雇用している場合や、日系企業の人事担当者にとっては毎年確認すべき重要情報だ。特に「うちはサービス業だから休めない」と即座に判断するのではなく、「振替休日 or 休日労働手当」の選択肢を労働者と合意の上で運用する必要がある。タイ労働省は1506・1546のホットラインで日本人事業者からの相談にもタイ語通訳経由で対応しており、メーデー直前・直後に駆け込み相談が増えるパターンが続いている。