タイ中部ペッチャブリ県バーンラート郡サモプルー区バーン・ドンプラップ村の田んぼから、1500-2000年前のものとみられる人骨が金の腕輪を着けた状態で発掘された。同じ穴の中からはタイ古代の青銅祭器「コーン・モーホータック」(銅鼓)が6個も出土しており、地主と村人は2026年5月1日、発掘された遺骨と古代品の供養を準備している。
土地所有者のジェン・ペットスット氏によれば、現場はもともと代々耕作してきた田んぼだった。あるとき外部から金属探知機を持った人物が訪れ、地下の異物をスキャンして掘り起こした。出土した品は地元のラチャパット・ペッチャブリ大学の研究者に鑑定を依頼したところ、東南アジア青銅器文化の祭器「銅鼓」と特定され、本格的な発掘につながった。継続調査の結果、追加で銅鼓5個と古代の金製装飾品、そして金の腕輪を着けた人骨が現れた。
時代区分は紀元前後から1世紀前後の先史時代終盤、トヴァラヴァティ文化(西暦7-11世紀)に至る前の段階と推定される。タイ中部から東北部にかけては、銅鼓を伴う集落・葬制の遺跡が散発的に発見されており、今回の発見もそのつながりに位置付けられる可能性がある。金の装飾品が骨に直接装着されていた状態で出土するのは、被葬者が当時の有力者だったことを示唆する。
6村の村長ナロンチャイ・スクプラソン氏は「今回の発見は地域として極めて価値が高い」と述べた。地主のジェン氏は「所有者として嬉しい。今後の取り扱いは行政の指示を仰ぐ」とし、考古局や県の文化担当部局との協議を視野に入れている。一方で住民側は仏教徒の慣習に従い、発掘された人骨と副葬品の魂への供養を行う準備を進めている。
タイの田畑からは時折、銅鼓・古代陶器・金属装飾品が発掘される。法的には1961年制定の古代遺跡・古代物品法により、地下から発見された古代物品は国の所有とされ、発見者には適切な届け出と保護義務が課される。ただし伝統的に、地主が「土地に眠っていた魂」への供養を済ませてから当局に届け出るパターンも各地で見られる。今回の発見はタイ中部の先史文化を理解する新たな手がかりとなる可能性があり、ラチャパット大学や考古関係者の調査の進展が待たれる。