タイのGrab Thailandが自社プラットフォームのユーザー行動分析を公表し、金曜と土曜の夜間(21時〜24時)が平日と比べて呼び出し件数が20%多いことを明らかにした。発表は副社長兼マーケティング担当のパノムコーン・ジラセティアンポン氏が行ったもので、夜のオンデマンド経済の輪郭が見える内容となっている。
タイの夜間需要(21:00〜05:00)は日中と並ぶ重要時間帯になっている。週末の夜は学校・仕事を終えた利用者が「楽しむ夜(คืนปล่อยจอย)」モードに入り、車の呼び出しはピーク時間帯(21:00〜24:00)に集中。夜間全体の半数近くの利用がこの3時間に集まる構図だ。
特徴的なのが配送・フード分野である。深夜のフードデリバリーで人気を集めているのは、タイ東北イサーン料理の代表「タムプー・パラー(発酵蟹のソムタム)」。匂いの強いローカル料理が深夜オーダーの上位に入る点は、いかにもタイらしい食文化を映している。配送商品(GrabMart)では、コンドーム(避妊具)が年間30万個超を売り上げ、深夜帯の急ぎ需要として一定の存在感を保っている。
サービス別では、GrabDriveYourCar(個人運転手プロサービス)がパーティ参加者から支持を集めている。飲酒運転を避けるために、自分の車を運転手付きで動かしてもらうという使い方で、罰則強化と社会風潮の変化が後押ししている。学生のレポート作成、夜勤労働者、サッカー観戦・ゲーム配信視聴・パーティ参加など、夜遅くに動く利用者層を「夜起きてる人」セグメントとしてGrabは新規開拓を続けている。
タイの都市部、特にバンコクは商業施設・コンビニ・モール型カフェなどが深夜まで開いている街で、Grabの夜間サービスは観光客と在住者の両方にとってインフラに近い存在になっている。在タイ日本人の生活でも、深夜の急な呼び出し・コンビニ受け取り・帰宅の足として、Grabは「24時間動いている街」を支える基盤の1つだ。
今後Grabは深夜時間帯に特化したキャンペーンを継続する見通し。タイの「眠らない街」が拡大するほど、夜のオンデマンド経済の規模も大きくなる構図と言える。