(関連記事:タイAirAsiaが5-6月便を30%減便、原油高でインド線運休・スワンナプーム発も縮小)
タイ運輸相のピパット氏は2026年4月28日、ジェット燃料の高騰を理由に航空各社が運賃値上げの動きを示す中、政府として「定められた上限価格を厳守するよう監視する」と表明した。タイAirAsiaが5月から6月にかけての約30%減便、タイ国際航空が成田線を含む大幅減便と燃料サーチャージの値上げを発表したのと同日の動きで、燃料コストを巡る航空業界の混乱を抑え込もうとする政府対応となる。
ピパット運輸相は記者団に対し「燃料コスト上昇は全ての航空会社が直面している共通の課題」だと前置きしつつ、その負担を運賃に転嫁する形で国内線の上限価格を超えるような値上げを行うことは認めない方針を強調した。CAAT(タイ民間航空局)が国内線各路線の価格上限を継続監視しており、上限内に収まるよう航空会社側に協議を求めるかたちだ。
タイの航空業界では、ジェット燃料のスポット価格が中東情勢の緊迫化でこれまでに約3倍に上昇し、各社の運営コストを直撃している。これを受けてタイAirAsiaは便数の大幅縮小、タイ国際航空は減便と日本路線の燃油サーチャージ引き上げ(エコノミー往復で約4万5,000円相当の負担増)を発表し、利用者の追加負担が現実化している。
タイ航空業界協会は別途、ジェット燃料の物品税を1リットルあたり4.726バーツから0.20バーツへ大幅引き下げる案を政府に提案している。実現すれば国内線の運賃を1便あたり100バーツ程度引き下げる余地が生まれ、需要の落ち込みを和らげる効果が見込まれるという。実現可能性については財務省側の判断が鍵を握る。
在タイ日本人にとっては、運賃上限の維持と便数減少が同時進行で、結果として「価格は上限ぎりぎり、便数は減少、燃油サーチャージは上昇」という三重苦の構図に直面する形となる。日本〜バンコクの直行便を利用する日本側の旅行者も、5月以降の予約は早めに固めるか、ドンムアン発のLCCを含めて代替を検討する必要がある。

