タイの格安航空会社AirAsia(タイAirAsia)は2026年5月から6月にかけてのフライトを約30%減便すると発表した。航空燃料の急騰と中間期の旅行需要低迷が直撃しており、特にインド線を中心に国際線の一時運休、国内線でもスワンナプーム空港発の一部路線停止を伴う大幅な運航見直しとなる。
減便は全社規模で約30%。実数は本記事執筆時点で社内集計中だが、第2四半期の運航計画を再構成した結果、運航コストに見合う採算が確保できない路線を優先的に取り下げる方針である。決定の背景には、4月以降の航空燃料スポット価格の高止まりと、ハイシーズン明けの観光需要の戻りが想定より鈍いという2点がある。
国内線の調整方針は、ドンムアン空港発の便を維持しつつ、スワンナプーム空港発の一部路線を一時運休するというもの。ドンムアンは同社のメインハブで主力路線が集中しており、ここを縮小すると地方都市への接続が崩れるため、現状のスケジュールを維持する。スワンナプーム発はビジネス需要との重複が大きい路線が多く、需要のピークが弱い夏前にコスト先行を避ける判断とみられる。
国際線で最も大きな影響を受けるのはインド線で、タイAirAsiaは複数のインド都市便を一時的に運休する。同社によれば、インド線は運営コストが高く、現行の採算ラインを下回る運賃を提示せざるを得ない局面が続いていたという。中国本土・東アジア・ASEAN域内の路線は継続運航し、こちらは需要が安定しているとの判断である。
すでに予約済みの利用者には、便の振替や払い戻しの案内が個別に出される予定である。日本の感覚では「LCCが燃料高で30%減便を一気に打ち出す」事態は珍しく、しかも運休対象が国別単位で絞られる点が特徴的だ。原油価格と域内旅行需要の戻りが噛み合わない第2四半期はタイの航空業界にとって試練となり、在タイ日本人にも国内線の発着空港の選び直しなど影響が及ぶ可能性が高い。