タイ商務省海外貿易局のアラダ・ファーントーン局長が、4月17日から21日まで米輸出業者団を率いて日本を訪問し、伊藤忠商事・兼松・木徳神糧の3大商社と日本側の輸入検査機関OMICからタイ米購入維持の確約を得たと4月27日に発表した。年間約30万トン規模の対日米輸出を維持する成果となった。
訪問団は日本の政府機関と民間企業を回り、タイ米の品質維持と日本市場での認知拡大を強化。日本国内のタイレストランと連携した広報活動も展開し、消費者向けの需要喚起にも踏み込んだ。会談相手は、輸入米の品質検査を担うOMIC、そして伊藤忠商事(Itochu Corporation, Ltd.)・兼松(Kanematsu Corporation)・木徳神糧(Kitoku Shinryo Co.)の3大商社だ。
3商社は「長年タイ米を扱ってきたが、品質・安全性・納期ともに日本市場の要求を満たしている」と評価し、購入維持を確約した。クォータ外の関税適用枠についても引き続き輸入する意向を示し、日本側のタイ米需要は安定基調が続く。OMICもタイ米の品質基準に問題はないと再確認した。
日本は長年、タイ米の主要輸出先の一つだ。年間30万トン規模は、日本の米需要全体から見れば限定的だが、品質・安全・納期の3点で安定供給先として位置付けられてきた。日本国内では政府米備蓄や関税枠の議論があり、タイ側は輸出枠の維持を継続的に働きかけている構図がある。
日本市場でタイ米は、業務用(レストラン・弁当・加工食品)から家庭用まで一定のシェアを保つ。日本のスーパーで「タイ米」を見つけることは少ないが、タイ料理店・中華料理店・カレー店では業務用米として広く流通している。タイ側からすれば、円安局面でも安定した取引相手として日本市場を確保する意味がある。
今回の訪問は、タイ米の輸出多角化戦略の一環として位置付けられる。最大顧客の中国・ナイジェリア向け輸出が変動する中で、日本のような安定需要先との関係維持は、米農家の所得安定にも直結する。タイ商務省は今後も定期的な訪日団派遣と、現地レストラン・商社との連携を続ける方針だ。