4月26日にアユタヤ県ラドブアルアン郡で発生した35歳男による路上銃乱射事件で、使用された銃が元警察官の名義で正規登録された9mm CZブランドの拳銃だったと地元当局が4月27日に発表した。登録名義は容疑者と一致せず、当局は「正規登録だが不正な手中に渡った銃」として、登録すり替えの可能性も視野に出所を捜査している。容疑者は事件直前にヤーバー(覚醒剤錠剤)を6錠摂取し、彼女に会いに行く途中だったと供述している。
ラドブアルアン郡のテラメート・テープウィチャイシンパクン郡長によると、銃の登録番号から照合した結果、9mm口径のCZ製拳銃で、2008年に警察職員福利厚生プログラム経由の購入品として正規登録されていた。許可名義はコーンケン県ウブンラット郡で許可を取得した元警察官(現在は退職済み)で、容疑者の35歳男とは別人だった。
当局は今後、ラドブアルアン郡からコーンケン県ウブンラット郡へ正式照会し、登録者本人に銃を持参させて現物を確認する方針。元警察官の手元に銃が残っていれば登録すり替え(他の銃に同じ登録番号を付ける手口)の疑い、紛失していれば紛失届の有無を確認する流れになる。タイの法令では銃の紛失は警察署と登録官の双方に届け出る義務があり、未届の場合は規定違反に問われる。
容疑者はサラウット氏(35)で、現場でヤーバー残錠とともに逮捕された。供述では、事件直前にヤーバーを6錠摂取し、当時は彼女に会いに行く途中だったとしている。罪状は銃と弾薬の無許可所持、公共の場での銃所持、公共地区での発砲、第1類薬物(メタンフェタミン)所持など複数件に及ぶ見通しだ。
被害者の44歳の女性教師は当時ホンダの白いセダンを運転中で、運転席側ドアを貫通する形で銃弾を受け、重傷を経て死亡した。事件直後には娘から妹へ「ママが撃たれた」と電話する場面もあり、家族と地域社会に衝撃が広がっていた。
事件は薬物の影響下で発生し、無関係の市民を巻き込む結果となった。当局は今後、薬物入手ルートと銃の流通経路の双方から背景を解明する方針を示している。