タイ・アユタヤ県ラート・ブア・ルアン郡プラ・ヤ・バン・ルー区6村のリアット・クロンパヤームアン通りで4月26日午後3時13分、薬物中毒状態の男が住宅街で10発以上の銃を連続乱射する事件が発生した。バンコクナンバーの白色セダンを運転していた44歳女性が運転席ドアから貫通弾を受けて死亡、同乗の叔父と子供2人は無事だった。
容疑者は35歳のサラワット氏(姓略)。現場でカワサキ・ニンジャの黒いオートバイとともに身柄を確保された。所持品からはヤーバー(メタンフェタミン錠剤)3錠が押収され、過去にも薬物関連の前科があった。容疑者自身も乱射の過程で負傷し、病院に搬送されて治療と薬物検査を受けている。
死亡したパスパッサラー・ルアンルッティさん(44)は事件発生時、家族と車で通行中だった。運転席のドアに弾丸が直撃し体を貫通、病院に運ばれたものの、命を救うことはできなかった。同乗の親族は「車の中にいた」状態で奇跡的に被弾を免れた。
目撃者によると、容疑者は1発で止めず連続10発以上発射したとされる。被害は人だけでなく周辺の車両4台以上にも及び、セダン2台、ピックアップトラック1台などのボディに弾痕が残った。動機は現時点では明らかにされておらず、ヤーバーによる幻覚・興奮状態の可能性が示唆されている。
ヤーバーはタイ国内で流通する低価格の覚醒剤錠剤で、1錠あたり50〜200バーツ程度で取引される。短時間で強い覚醒・幻覚作用を持ち、長期使用者の暴力沙汰や乱射事件はタイ国内で散発的に報告されてきた。アユタヤ県は工業団地と物流ルートの結節点で、薬物の流通が比較的活発な地域でもある。
在タイ日本人の生活への直接影響は限定的だが、深夜・早朝の住宅街通行や郊外の通り抜けには、薬物関連事件のリスクが背景にあることが浮き彫りになった事件である。タイ警察は容疑者の動機と供給ルートの解明を急いでいる。