アユタヤ県で2026年4月下旬、35歳の男性がヤーバー(覚せい剤)を服用した状態で住宅街の路上に立ち、通りかかった車両に向けて10発以上銃を乱射した。44歳の女性運転手が銃弾に当たって死亡し、現場は騒然となった。
銃撃を起こした男性はその場から逃走したが、警察は人相・逃走経路の特定を開始した。目撃者によると、男性は発砲前から「様子がおかしかった」とされ、周囲で見ていた人々はその場に倒れるか逃げるかという混乱が生じた。
ヤーバー(メタンフェタミン)は覚醒・興奮作用が強く、過剰摂取や長期使用では幻覚・妄想・攻撃的行動を誘発することがある。精神科医は「覚せい剤による精神病状態(薬物誘発性精神障害)は通常の統合失調症と区別が難しく、当人が完全に制御を失っている場合がある」と説明する。
タイでは薬物使用と銃犯罪の組み合わせによる事件が毎年報告されている。国家麻薬取締委員会(ONCB)は2025年の発表で「ヤーバー関連の暴力犯罪はここ数年で増加傾向」と警告した。農村部・都市部を問わず、薬物と銃が同じ環境に存在する状況が犯罪リスクを高めている。
アユタヤは世界遺産都市として年間数百万人が訪れる観光地だ。歴史的な寺院・仏像で有名な市街地近辺でこうした事件が起きることは、観光客の安全イメージにも影響する。タイ警察は観光地周辺での違法薬物の流通遮断と、銃器の無許可所持の取り締まりを強化するよう求められている。


