タイ・ノンタブリ県ムアン郡のバイパス通りで2026年4月26日午前4時、フォード・エベレストのサンルーフから工学部生の若者らが自作の圧縮ガス砲を発射しながら走行する事件が起きた。同じ通りをバイクで走っていた30歳の女性が「銃撃された」と思い込んで警察に駆け込み、29日にノンタブリ警察が容疑者を呼び出して取り調べを始めた。
被害を訴えたナーン・ポン氏(30歳)は、ノンタブリ・バイパス5番通りからバイパス本線に出たところで、白いフォード・エベレストが後ろから接近し、Uターン地点近くで「銃声のような音」が連続2回鳴ったと供述している。発砲を疑った女性はそのまま警察に駆け込み、ノンタブリ警察捜査班が車両特定と容疑者追跡を始めた。
29日午後、警察はラマ7地区にある大学の工学部・工業科に在籍する17歳の若者3名を呼び出して任意同行を求めた。証拠品として、自作の圧縮ガス砲(本来は鳥を追い払う用途で設計されたもの)と、100%アルコールを噴射する筒を押収。サンルーフを開けて夜間の幹線道路で発射する遊びを行っていたと自供しているとされる。
容疑者らは「人を狙ったわけではなく、空に向けて発射しただけ」と説明しているが、深夜の道路上で銃声に似た音を響かせる行為は、周辺ドライバーに「実際に発砲された」との恐怖を与えうる重大な行為である。警察は公衆を混乱させた罪、脅迫、自作武器の所持などで立件可能性を検討している。
タイの大学生による「悪ふざけ事件」は時折発生するが、自作の圧縮装置を車両のサンルーフから発射するという今回のケースは、銃社会的な被害妄想を呼び起こしかねない深刻な行為である。事件の発生源が工学部の若者という構図も、技術的知識が安全教育と切り離されたまま使われる危険性を改めて示している。