バンコク郊外ノンタブリーで、車のサンルーフから「銃声のような音」を放ちながら走り抜けた若者たちの正体が、近隣の専門学校の工学部学生だったことが分かった。
通報したのはバイクで走行中だった30歳の女性、プラさんだ。4月26日の午前4時、ノンタブリー市の迂回路にある「リエンムアン5」のソイ(脇道)を出たところで、後ろから白いフォード・エバレストが付いてきた。直後に銃声のような音が1発、Uターン地点にさしかかったところでさらに1発響いた。プラさんは身の危険を感じてムアンノンタブリー警察署に駆け込み、被害を訴えた。
警察は車両の特定を急ぎ、4月29日の午後3時半、17歳の若者3人を任意同行で連れてきた。3人はいずれも同い年で、ラーマ7世通り沿いにある大学の工業工学科に在籍している学生だった。
押収品には目を引くものがあった。1つは「自分で組み立てた鳥追い払い用のシリンダー」、もう1つはアルコール100%を満たしたスプレーシリンダーだ。要するに、アルコールを気化させて点火し、爆発音で鳥を散らすための仕組みを自作したものらしい。その「銃声」の正体がアルコールの気化爆発音だった、ということになる。
工学部の学生が技術的な好奇心で何かを組み立てる、というのは世界中どこでも珍しい話ではない。気になるのは、それを深夜4時の公道で、サンルーフから街中に向けて鳴らしてしまった判断のほうだ。一発の爆発音で見知らぬバイクの女性を本気で怖がらせている時点で、これはもう「実験」の範囲を超えている。
タイの深夜の地方道は、トラックやバイクが結構な速度で走り抜ける独特の時間帯だ。その中で銃声に聞こえる音がいきなり背後から鳴る怖さは、想像するだけでぞっとする。
