チェンマイのピン川下で2026年4月、51歳のホームレスとみられる男性の焼死体が発見された。遺体には首切創があり、殺害後に焼却された可能性が高いと警察は判断している。
発見の経緯
救助ボランティアが橋の下で火災の煙を発見し、通報した。チェンマイ市内を流れるピン川に架かるラタナコーシン橋の下で、炎上していたものが鎮火した後に男性の遺体が見つかった。
遺体は全身が焼けており、身元の確認が困難な状態だった。しかし焼け残った部分の法医学検査で、首に切り傷があることが確認された。警察は遺体が発見された状況から、「何者かに殺害された後に焼却されて証拠隠滅が図られた」と見ている。
被害者について
遺体の身元は特定に時間がかかったが、周辺に住むホームレスの男性(51歳)と特定された。チェンマイでは観光地や市街地周辺にホームレスが点在しており、橋の下や公園が住居代わりになることもある。
身元確認には指紋照合が使われた。男性が日常的に過ごしていた場所での事件だったとみられる。犯行動機や犯人については、警察が目撃情報の収集と周辺の監視カメラ映像の分析を進めた。
チェンマイの安全事情
チェンマイはタイ北部最大の都市で、観光地としても名高い。旧市街や素麺山(ドイステープ)などで年間数百万人が訪れる。治安は相対的に良好とされるが、タイのどの地方都市にも共通する犯罪リスクは存在する。
特に橋の下や河川沿いなど、監視の手が届きにくいエリアでの事件は周期的に発生する。ピン川沿いは夜間の散歩コースや観光スポットとしても機能しており、今回の事件はその安全性への問いを投げかけた。
証拠隠滅としての焼却
遺体の焼却は証拠隠滅を目的とした犯罪手口のひとつとして、タイでも過去に複数の事例がある。首切創があった点から、刃物による殺人が先行した可能性が高い。焼却によって指紋・繊維・血液などの証拠が失われるため、捜査は難航しやすい。
タイの法医学チームは焼損遺体からでも骨格・歯型・DNAを用いた個人識別を行う技術を持つ。今回も法医学的な検死が捜査の鍵となった。
警察は近隣への聞き込みと防犯カメラ映像の精査を継続し、被疑者の特定を急いだ。ホームレスや社会的弱者を標的にした犯罪は、目撃者が少なく証拠収集が困難なケースが多い。事件の全容解明に向けた捜査の行方が注目された。
