タイ東北部コンケン県のムアンコンケン郡で4月26日深夜、ノーンカーイ県シーチェンマイ郡からバンコクへ向かっていた長距離観光バスが、石を満載した18輪トレーラーの後部に追突する事故が起きた。バスは満員状態で、車線変更直後の衝突により27人が負傷、運転手席側は大破した。週末のソンクラン明け、ノーンカーイから首都に戻る乗客が多い夜行便での重大事故となった。
事故は4月26日23時10分、コンケン県ムアンコンケン郡ターパー副区を走るミットカーノク(友愛)道路上り、ターパー-コーソン交差点付近で発生した。バスは「シーチェンマイ-バンコク」便で、登録番号15-9658(バンコク)。事故直前にバスが車線を急に変更したところ、前方を走っていた18輪トレーラーの後部に高速で追突した。トレーラーは石材を満載しており、巨大な後部に衝突したバスの運転手側は大破した。
救急救命チームと救援団体が複数班体制で駆け付け、車内に残された負傷者をバスから1人ずつ搬出した。負傷者は計27人。3つの病院に分散搬送された:
- コンケン中央病院(Khon Kaen Hospital)
- シーナカリン病院(Sirindhorn Hospital傘下、コンケン大学医学部付属)
- シリントーン病院(Sirindhorn Hospital)
別途、症状が軽い乗客22人は病院搬送を希望せず、現場で軽傷の確認だけを受けた。
経路を遡ると、このバスはノーンカーイ県シーチェンマイ郡が始発で、メコン川沿いの町から乗客を集め、コンケンのバスステーションでも追加乗車を取り、バンコクの首都圏南部を目指す典型的な夜行長距離便だった。ソンクラン期間が4月17日に明けて約10日経つが、田舎から首都に戻る乗客はまだ続いており、夜行バスの稼働率は高い。今回のバスも満席状態で運行していた。
タイの長距離バスは「ロート・トゥア(観光バス)」という民間運行が多く、料金が比較的安い一方で運転手の労働時間管理や車両整備の質にばらつきがある。今回のバスがどの運行会社のものかは現時点で公表されていないが、登録番号15-9658の運行記録から運転手の連続乗務時間が問われる可能性がある。
車線変更ミスによる追突という構図は、タイの夜行バス事故の典型パターンだ。運転手の疲労、車間距離の不足、ハイビームの当たりすぎによる視認性低下などが重なる。今回はトレーラー側に過失があったという報告は見られず、車線変更したバス側の安全確認不足が事故原因と推定されている。
警察はバス運転手から事情を聞きつつ、ドライブレコーダーと現場の防犯カメラ映像を回収して状況を詳しく検証する。長距離バスの運行管理規制(運転手の連続乗務時間上限、休憩義務)はタイ政府が近年強化している分野だが、現場での遵守は地域差がある。
在タイの日本人にとって、ノーンカーイやコンケンへの長距離バスは観光・出張で使う機会がある路線だ。夜行バスは安価だが事故リスクが伴うことを改めて思い出させる事案で、可能であれば長距離鉄道や航空便を選択肢に入れる、運行会社の評判を事前に確認するといった備えが有効になる。
警察は負傷者の状況を確認しつつ、運転手の刑事責任の有無を検討中。ソンクラン明けの長距離バス事故が今年も繰り返されたことで、運行管理の議論が再び動く可能性がある。