スリランカの仏教僧侶22人がバンコクへ4日間の宗教旅行から戻った2026年4月25日、コロンボの国際空港で計110キログラム以上の大麻を密輸しようとしたとして一斉に逮捕された。各僧侶のスーツケースに作られた二重底から、それぞれ約5キログラムずつの強力な大麻品種「Kush」とハッシシが見つかり、推定市場価値は345万米ドルを超えるとされる。
事件の出発地となったタイ・ドンムアン国際空港側は、僧侶らの出国手続きと税関検査については定められた手順を踏んでいたとする説明を出した。隠匿の手口がスーツケースの二重底という巧妙なもので、外見上は通常の手荷物として通過した形となっており、タイ側の責任問題にどこまで発展するかは引き続き注目される。
スリランカ警察は容疑者22人を裁判所に連行し、7日間の拘留命令が下された。捜査の進展により、旅行を企画した23人目の僧侶が同じ便に乗らなかったことが判明し、こちらも別途拘束されている。警察は「僧侶らは運んでいる物の中身を本当に知らなかった可能性もある」とし、容疑の最終的な立件には組織犯罪との関与調査が必要としている。
タイは2022年6月に医療大麻を合法化し、嗜好用大麻についても明確な禁止規制が長く設けられないまま運用されてきた経緯がある。その間に「タイで合法的に手に入る」大麻を東南アジア・南アジアの周辺国へ持ち出す事例が増え、近年は周辺国側で摘発される事例が目立つ。今回の僧侶22人の一斉摘発は、その典型的な構図に当てはまる。
タイ国内では嗜好用大麻の規制強化議論が断続的に続いており、観光客や宗教関係者を含む短期滞在者による大麻持ち出しは、タイ政府にとっても外交上のセンシティブな問題になりつつある。今回の摘発を受け、ドンムアン空港・スワンナプーム空港の出国検査が厳格化される可能性が高い。