バンコク・エカマイの高層コンドミニアムで4月25日午後、11階に住む34歳の米国人女性が転落死しているのが見つかった。9階のバルコニーで発見された時点で女性の首にはテープが巻かれており、室内も荒らされた状態だったため、警察は「自殺の可能性が高いが、他の可能性も除外していない」として捜査を続けている。エカマイは日本人駐在員も多く住むエリアで、外国人居住者向けの安全情報として注意が必要だ。
事件はワットターナー区クローンタンヌア通りの集合住宅B棟(エカマイソイ12内のコンドミニアム)で起きた。通報は4月25日午後1時50分から2時30分頃。女性は同コンドミニアムの11階に居住しており、身元はパスポート等で確認済みだが、警察は名前を公表していない。同居していた彼氏も現場におり、警察到着時には激しく泣いていて詳しい状況を説明できる状態ではなかった。
遺体は9階のバルコニーで発見された。発見時、女性の首にはテープが巻かれていた。救助隊員は即座にテープを除去してCPRを試みたが蘇生に至らなかった。
問題は事件性の判断だ。室内に入った警察は、空の酒瓶が複数転がる散らかった状態を確認した。さらに天井中央のシーリングランプが取り外されていたという。アレルギー薬3錠と英文の手書きメモも見つかっており、メモには「medication(薬)」「freak out for a few hours(数時間の発作)」という文字があった。
これらの状況証拠は「自殺の可能性が高い」と警察が示唆する根拠になっている。一方で、首のテープが巻かれた状態の意味、室内が荒らされた状態の意味は単独では説明しきれず、警察は「他の可能性も除外していない」とし、検死結果を待って事件性の有無を最終判断する方針だ。
エカマイ地区はバンコクのスクンビット沿いにあり、BTSスクンビット線の駅周辺は外国人居住者向けの高層コンドミニアムが集中する。日本人駐在員も多く住み、近隣のトンローと並ぶ「外国人エリア」として知られる。今回の事件が起きたソイ12は、最近開発が進んだ高級コンドミニアムが立ち並ぶ通りで、米国人や欧州出身の若い駐在員・リモートワーカーが多く住む。
外国人の単独居住者にとって、メンタルヘルスの不調は文化的孤立や言語の壁で悪化しやすい。タイには英語対応のメンタルヘルス・ホットラインが複数あり、サマリタンズ・タイランド(02-713-6793、英語対応)、タイ精神保健局のホットライン1323(タイ語中心、英語可)が代表的だ。エカマイ・トンロー周辺の私立病院では、サミティベート・スクンビット病院やバムルンラート病院が英語の精神科診療を提供している。
タイ警察は彼氏からの聴取を進めつつ、コンドミニアムの防犯カメラ映像と通信記録を確認している。検死結果が出るまで事件性は宙に浮いたままだ。在タイの日本人にとっては、近隣で外国人の死亡事件が起きた事実だけでも気がかりな話題だが、断定的な情報は警察発表を待つしかない。