タイのサムットプラカーン県プラプラデーン郡で4月26日、モン族の伝統水祭り「ソンクラン・プラプラデーン」のあとに24歳の男「アイラット」と15歳の少年が、面識のない夫婦に銃を撃ち込み、34歳の夫を死亡、33歳の妻に重傷を負わせた。プラプラデーン署が容疑者2人の追跡を進めている。タイの祝祭と飲酒・銃の悪い組み合わせが再び現れた事件となった。
事件はサムットプラカーン県プラプラデーン郡バーンチャク副区スクサワット72ソイ内で起きた。プラプラデーン警察署のアピチャート・トーンペー警察大佐が銃器による傷害事件の通報を受け、捜査チームを現場へ送った。
被害を受けたのは33歳のスナンターさん(妻)と34歳のノッパラットさん(夫)。スナンターさんは右大腿部に1発、ノッパラットさんは胸部に1発を受けた。地元の市民が応急処置をしてバンプラコック3病院へ搬送したが、ノッパラットさんは間もなく死亡した。スナンターさんは入院中で意識はあるとされる。
捜査側の聴き取りによれば、容疑者は24歳の男「アイラット」(呼び名)と15歳の少年の2人組。事件直前、2人はプラプラデーン恒例の水祭りで他の参加者と一緒に水をかけ合い、酒を飲んで酩酊した状態だったという。その後、街に銃を持って出て、面識のないスナンター夫妻に発砲した。直接の動機は捜査中で、口論があったのか、ランダムな攻撃だったのかは判明していない。
プラプラデーンのソンクラン水祭りは、モン族の伝統行事として地域全体で親しまれる年中行事だ。同日、首相のアヌティン・チャーンウィーラクン氏とその夫人が水祭りの開幕式典に出席しており、地域住民にとって特別な祝祭日だった。その同じ日の夜に銃撃事件が起き、地元社会の動揺は大きい。
タイの祝祭・水祭りでの銃撃事件は数年前から繰り返し報じられている。チャーアム郡では今月、17歳がエアコン職人をバイクから銃乱射した事件も起きており、Facebookでの煽り合いが発端だった。今回のプラプラデーン事件はFacebookの煽り合いではなく、酩酊状態の若者が無差別に銃を撃ったという点でさらに悪質だ。
タイの銃所持規制は登録制で、許可なしの所持・使用は刑法第371条により禁固刑が科される。容疑者の「アイラット」が登録銃を持っていたか、闇市場の銃だったかも捜査の焦点になる。15歳の少年が同行していた点について、未成年者保護法と児童の刑事責任年齢(タイは10歳から12歳に引き上げられた)の論点も浮上する。
ソンクラン期間中の銃撃・暴力事件は、タイ政府が対策キャンペーン「危険な7日間」(4月11〜17日)を掲げて取り締まっているが、その期間外にあたる4月下旬の水祭りでは警察の警戒が薄まる傾向がある。プラプラデーンのモン族水祭りは公式ソンクランより1週間遅れで開催される地域イベントで、警察対応の盲点に近い側面がある。
警察は容疑者2人の身柄拘束を急いでおり、ソイ内の防犯カメラ映像と目撃証言から人物特定を進めている。次の節目は容疑者逮捕で、捜査本部は「数日以内」と見ている。