タイ西部ペッチャブリ県チャアム郡の住宅街で22日午後11時57分、17歳の若者とその仲間がオートバイから9ミリ拳銃を乱射し、エアコン取付職人の男性を撃って逃走する事件が起きた。チャアム警察署の初動捜査によると、引き金になったのはFacebook上で起きた挑発合戦だった。
事件現場はチャアム郡チャアム地区の民家前で、チャアム警察署捜査担当のスントン・プラームサン副警部補、アピラック・プームチャイ警察大佐(チャアム警察署長)、チャアム病院の救急隊が駆けつけた。路上には9ミリ弾の薬莢が少なくとも17発分散乱しており、拳銃のマガジンを撃ち尽くすような勢いで発砲された状況が残っていた。
撃たれたのはエアコン業の32歳男性テップピッタクさん(仮名)で、右腕に銃弾を受けて負傷した。チャアム病院に搬送され治療を受けているが、命に別条はない。ただ、狙撃距離や弾数からすれば、よけた位置がほんの数メートル違っていれば致命傷になっていた可能性は高い。
警察が関係者から聞き取った情報では、被害者と17歳の少年グループの間で数日前から、Facebook上の投稿やメッセージを通じて激しい口論が続いていたという。言葉のやり取りがエスカレートし、少年側が「直接会いに行く」と書き込んだ直後、バイクで民家前に乗りつけて発砲に及んだとみられる。
警察は現場の防犯カメラ映像と、関与したグループの日常行動を追跡して容疑者の特定を進めている。チャアムは海水浴で知られる観光地だが、市街地の裏通りでは若年層のグループ対立が数年前から断続的に発生しており、バイクを使った銃撃事件が夜間に起きる例も少なくない。
タイではフェイスブックをはじめとするSNSでの罵り合いが、実際の暴力沙汰に直結するケースが若年層の事件報道で繰り返し取り上げられてきた。銃を持ちやすい地方の環境と、オートバイで素早く移動できる地形が組み合わされると、口論の温度が一晩で殺傷事件にまで跳ね上がる構造になりやすい。
チャアムに週末の海を楽しみに行くタイ駐在の日本人家族にとっては、観光リゾート地だからといって深夜の裏通りが安全とは限らない現実を突きつけられる事件でもある。夜遅くの徒歩移動や、地元の若者グループの近くを通る場面には、一定の警戒感を持ち続けたい。