タイ・クラビ空港で4月26日午後、タイ・エアエイジア(Thai AirAsia)AIQ 4401便(クラビ→スワンナプーム)の機内で乗客の男が「危険物を持っている」と発言し、機体が駐機場に引き返して全乗客を降機させる騒ぎになった。乗客本人は「冗談だった」と釈明したが、便は4時間以上遅延し、刑事立件の対象となった。観光地クラビからの便は外国人観光客の利用が多く、空港運営に直接の影響が出た。
事件は4月26日16時47分、Airbus A320型機がクラビ空港で押し出し(プッシュバック)中に発生した。機内で乗客が「機内持ち込み手荷物に危険物が入っている」と発言し、これを察知したパイロットが即座に判断して機体を駐機場へ戻した。クラビ空港は爆発物処理プロトコルに沿って機体を別の駐機ベイに移動させ、全乗客と手荷物を機外へ降ろして検査を実施した。
検査の結果、危険物は発見されなかった。当該乗客は警察と空港当局の聴取に対し「ただの冗談(หยอกล้อ)だった」と認めた。タイの航空法および刑法では、爆発物所持を装う発言は虚偽通報罪・公衆危害罪に該当し、有罪の場合は禁固刑と高額の罰金が科される。クラビ警察は男に対し正式な刑事立件手続きを進める方針だ。
副運輸大臣のパッタラポン・パッタラプラシット氏が同日夕方に経緯を発表した。同副大臣は空港局を所管する立場として、ダナイ・ルアンソン空港局長、タニサラ・シンハクン・クラビ空港長と協議し、関係機関に状況の追跡と航空安全基準の厳格な適用を指示した。「安全が最優先である」と強調した。
クラビ空港はタイ南部の主要観光地クラビ・ピピ島・ランタ島の玄関口で、欧米・日本・韓国・中東からの直行便および国内便が集中する。同空港でこの規模の機体停止と全員下機が起きたのは久しぶりで、AIQ 4401便の後続便にも遅延の連鎖が生じた可能性が高い。観光業のオフシーズン(雨季前)にあたる時期だが、ソンクラン明けで動きの多い4月後半に発生したのが痛い。
タイの空港では同様の「冗談爆弾」事案が定期的に発生しており、過去にもバンコク・ドンムアンやプーケット国際空港で類似事案が報じられている。当該乗客本人は冗談のつもりでも、空港側は爆発物処理プロトコルに沿って必ず全機チェックを行うため、結果として4時間規模の遅延が生じる。乗客は刑事責任を問われるだけでなく、運航再開の遅れに伴う損害賠償請求の対象になる場合もある。
在タイ日本人や日本からの観光客がクラビ便を利用する場合、機内では冗談でも「爆弾」「危険物」「テロ」といった言葉を口にしないことが鉄則だ。タイの航空当局は外国人にも国内法を適用し、刑事立件は外国人だからといって免除されない。タイ・エアエイジアは便のキャンセル・遅延に関する補償方針を別途案内しているが、当該便を予約していた乗客は航空会社のサポート窓口に連絡することが推奨される。
警察は男から事情聴取を続けつつ、機内・空港の防犯カメラ映像を確認している。次の節目は刑事立件の正式起訴で、虚偽通報罪が適用される場合は禁固刑または最大の罰金が問われる。