タイ北部パヤオ県メートゥム交差点で4月26日、信号待ちで停止していたセダン2台に飲酒運転のピックアップトラックが高速で突っ込み、3台が連鎖的に損壊する事故が起きた。アルコール検査で運転手から法定限度の5倍を超える272mg/dlが検出され、警察が拘束した。タイの飲酒運転事故は4月のソンクラン期間明けでも頻発しており、改めて在タイ日本人の運転環境への警戒が必要な状況だ。
事故が起きたのはパヤオ県ムアンパヤオ郡を走るパヤオ-チェンライ道路、メートゥム交差点の信号待ちエリア。ピックアップトラックはトヨタ製で、フロント部分が完全に潰れた状態で停止していた。ぶつけられたのはトヨタ製ブロンズ色のセダンで、後部が大きく陥没した。さらに前方にあったホンダ製白色セダンも玉突きで軽い損傷を受け、計3台が破損する事態となった。
目撃者によると、3台のセダンが赤信号で停止し、信号が青に変わって動き出した瞬間、後方からピックアップトラックが高速で突っ込んできた。先頭で動き始めたトヨタ・ブロンズが大破し、その勢いで前のホンダにも衝突する流れだった。事故現場は車のガラス片と部品が散乱し、騒音が大きく交差点周辺の住民が集まる事態になった。
事故後、ムアンパヤオ警察署員が現場に到着しピックアップ運転手を確保した。アルコール濃度検査の結果は272mg/dl(mg%)。タイの飲酒運転法定上限は50mg/dlで、その5.4倍を超える量だ。272mg/dlはタイ法定限度50mg/dlの5.4倍超え。日本の道路交通法の血中アルコール基準(呼気1リットル中0.15mg=血中およそ30mg/dl相当)と比較しても9倍規模で、完全な泥酔状態の運転と言える。
警察は運転手の身柄をムアンパヤオ署に移し、刑法および道路交通法に基づく飲酒運転罪・公衆危害罪・物損罪などの複数罪状で立件する方針。被害セダン2台のドライバーには重傷者は出なかったが、車両保険で対応できない部分は加害者側に損害賠償請求が向かう。
タイのソンクラン期間中の「危険な7日間」(4月11〜17日)は警察の取り締まりが集中するが、その期間が明けた4月後半は警察の警戒が緩み、飲酒運転事故が再び増える傾向がある。先日もカンチャナブリで飲酒運転セダンが逆走し43歳女性のバイクと衝突した死亡事故が起きたばかりで、今週はパヤオでこの連鎖事故が発生した。
在タイの日本人にとって、信号待ちで後ろから追突されるリスクは交通事故の中で最も避けがたい部類だ。パヤオを含む北部地方では飲酒運転の取り締まりが都市部より緩く、夜間や週末は特に注意が必要となる。やむを得ず夕方以降に車を運転する場合は、信号待ちでバックミラーを頻繁に確認し、後方からの不審な接近を察知できる位置取りを心がけたい。
警察は272mg/dlという数字の重さを踏まえ、刑事責任を厳格に問う方針。タイの飲酒運転罰則は1979年道路交通法第43条第2項に基づき、初犯で1年以下の禁錮または5,000〜20,000バーツの罰金、もしくは両方。2年以内に再犯すれば最大2年の禁錮と50,000〜100,000バーツの罰金に引き上げられ、運転免許も6か月以上の停止または取消が裁判所判断で命じられる。