タイ政府は、2569年度(2026年度)の土地・建物税の徴収期間を9月まで延長し、税額を3回に分割して支払える措置を導入すると発表した。副政府報道官が明らかにしたもので、物価高による家計・企業の負担軽減を目的とした救済策となる。
タイの「土地・建物税」は2562年(2019年)施行の制度で、土地と建物の評価額に応じて毎年課税される。当初は4月に一括納付する設計だったが、コロナ禍以降は徴収期限の延長と分割払い導入が複数回行われ、今回の措置もその流れを継ぐものとなる。
政府の発表によれば、2569年度の納付期限を9月まで延ばし、納付額を3回に分けて支払えるようにする。具体的な分割期日や納付ルールの詳細は財務省・内務省からの追加通達が必要な段階で、地方自治体レベルでの運用が確定するまでには時間を要する可能性がある。
タイの土地・建物税は、一般住宅・商業施設・工場・農地など幅広い不動産が対象となり、地方自治体(バンコク都、各テッサバーン、オーボートーなど)が徴収窓口となる。オンライン納付にも対応しており、近年はデジタル納付の比率が高まっている。
タイでは、都市部を中心に地価と建物評価額が継続的に上昇しており、資産保有者の税負担は年々拡大する方向にある。その一方で、物価高やエネルギー費高騰により現金流動性が圧迫されている世帯・事業者も多く、徴収時期の柔軟化は実務的な救済策として歓迎されている。
在タイ日本人コミュニティのうち、タイ国内に不動産を所有している長期居住者や、タイ法人名義で物件を保有する個人にとっても、この延長・分割措置は納税キャッシュフローに直接影響する。具体的な納付期日・分割方法は、管轄自治体からの通知や財務省・内務省の公式案内を確認したうえで対応したい。
分割払いを選択する場合、2回目・3回目の納付期日を失念しないよう、カレンダー登録や銀行の自動引き落とし設定などの工夫が重要となる。延滞すれば通常通り加算金の対象となる可能性があるため、「猶予」ではなく「納税キャッシュフローの平準化」として捉えるのが実務的だ。

