タイ財務省のエクニティ・ニティタンプラパース副首相兼財務相は4月24日、経済対策「Thai Help Thai Plus(タイ助けタイ+)」の支給額を1人あたり4000バーツ(約2万円)と確定したことを明らかにした。1000バーツ/月を4ヶ月間にわたり交付する形で、2026年6月から運用が始まる。原資としては4000億バーツ(約2兆円)の債務緊急条令を発出する。
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財務省は当初、5000億バーツ規模の緊急融資条令を検討していたが、公債残高の対GDP比(現状66%、上限70%)の余地と景気下支え効果を勘案し、4000億バーツに縮小した。タイの公債上限は70%にキャッチアップしつつある段階で、原資調達は慎重にならざるを得ない事情がある。
支給対象と使途は従来のKhon La Khrueng(コンラクルン)の骨格を踏襲する。政府が60%、国民が40%を負担する半額補助の仕組みで、中小零細の商店(屋台やローカル食堂含む)での決済に限定され、利用はタイ国家銀行傘下アプリのパオタンを通じて行う。登録受付は2026年5月中、実際の支給開始は6月1日からである。
背景には、中東紛争による燃料価格・輸送コストの上昇と国内物価圧力がある。3月はディーゼルが1週間で3回値下げされるなど、政府は補助金を切り詰めながら家計支援を分厚くする方針に舵を切った。ホルムズ海峡周辺の緊迫化でタイの中東向け輸出も陰りが出ている。
月1000バーツ×4ヶ月という配分は、コンラクルン式の一括支給と異なり、家計の毎月の食費・日用品費に均等に回る設計である。4ヶ月間で合計4000バーツは名目6-7月のインフレ見込みに対するバッファとしても機能する。在タイ外国人は制度の対象外だが、小売・外食シーン全体で価格競争とプロモーション圧が高まることは想定される。
タイ政府は同時進行で燃料基金の借入枠拡大(1500億バーツ)も進めており、国民向けの直接支給と燃料補助を両輪で走らせる構えだ。2026年後半のマクロ景気を測る上で、4000億バーツの追加債務発行と物価抑制のバランスが最大の焦点となる。



